研究課題
研究1.遺族アンケート調査死別後対処行動に関連する分析を進めた。複雑性悲嘆(complicated grief:CG)の可能性が高い遺族(Brief Greif Questionnaire (BGQ)≧8点、 以下「CGあり」)、大うつ病性障害(major depressive disorder:MDD)が疑われる遺族(Patient Health Questionnaire-9(PHQ-9)≧10点、以下「MDDあり」)の評価を行った。CGありと評価されたのは53名(10.6%)、MDDありと評価されたのは74名(14.8%)であった。カイ2乗検定、Fisher-Freeman-Halton の正確確率検定、Mantel-Haenszel検定、ロジスティック回帰分析により、MDD、CGそれぞれと対象属性、死別後対処行動尺度(Coping Strategies after Bereavement:CSB)の下位尺度得点との2変量解析を行い、MDD、CGと関連する要因を特定した。CSBの各下位尺度の得点と2変量解析でMDD、CGと関連のあった対象属性の変数を独立変数とし、MDD、CGそれぞれを従属変数とした2項ロジスティック回帰分析を行った。死別後対処行動と関連する要因の探索には、CSBの下位尺度得点を従属変数、個人属性を独立変数として重回帰分析を行った。研究2.がん患者遺族へのサポートグループについての文献レビュー文献選定の結果、和文献は30件、英文献は19件が選定され、サポートグループの内容(目的、対象、開催形式、テーマ、運営スタッフなど)、効果について分析した。研究3.サポートグループプログラムの作成研究1、2の結果と、認知行動療法、カウンセリング理論を基盤として、がんで配偶者を亡くした遺族のためのサポートグループプログラムを作成した。