研究課題/領域番号 |
18K10343
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
内堀 真弓 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 講師 (10549976)
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研究分担者 |
山崎 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (10225237)
浅野 美知恵 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50331393)
本田 彰子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (90229253)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 糖尿病看護 / フットケア / 糖尿病足病変 / セルフマネジメント / セルフモニタリング / 慢性病看護学 / 教育プログラム / 糖尿病合併症 |
研究実績の概要 |
本研究は、『糖尿病患者のフットケアのためのセルフモニタリング機能促進看護支援プログラム』による予防的介入効果を高めるための内容の精錬と、看護支援能力(フットケア看護力)を育成する教育方略を開発することを目的としている。令和2年度は、外来通院患者への本プログラムの実施を完了した。フットケア外来看護師への本プログラムの実施にあたっての問題点の洗い出しを継続し、セルフモニタリング機能を促進する看護支援能力(フットケア看護力)と連携力育成の教育方略の開発方法を検討した。 1)プログラム実施と評価:フットケア外来を担当する看護師による本プログラムによる、対象者への介入を完了した。調査期間に外来を受診し、同意の得られた24名のうち、転院等で中断したものを除く19名への支援を終了した。そのうち他の疾患の治療による足の症状出現が著明となった1名を除き、18名が対象となった。平均年齢は64.4歳、糖尿病歴は6-41年であった。足の状態を患者-看護師双方が記入する記録用紙の活用状況として、14名が書き込み、外来時に持参していた。記載内容は、傷の有無等の観察内容、足の負傷など生活での出来事と対処、心構え等であった。記載間隔は何らかの変化が生じたとき等であった。 2)プログラム実施上と問題点:フットケア外来担当看護師から、記録用紙の活用は、自身の足の観察の必要性を認識している人にとっては、足を見るきっかけになっているが、指摘されて気づく人もいることが語られた。個々に合わせ、次回の外来までの注意点等、目標設定の必要性が示唆された。 3)フットケア看護力育成の教育:看護師の足のアセスメント力向上に向けた糖尿病足病変発症高リスク患者が入院する病棟での研究は、新型コロナ感染症拡大の影響により、実施困難となった。そのため令和2年度は、看護師への教育方法に関する情報やアウトカム指標を整理し、準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者支援としては、外来通院患者を対象に『糖尿病足病変ハイリスク患者のセルフモニタリング機能促進看護支援プログラム』を実施、完了した。しかし、予防的介入に向けた看護師のアセスメント力とセルフモニタリング機能を促進する看護支援能力(フットケア看護力)を育成するための糖尿病足病変発症高リスク患者が入院する病棟看護師への支援については、新型コロナ感染症拡大に伴い、研究協力者の勤務が不規則になり、感染症患者の入院受け入れにあたっての病棟編成から、研究実施場所の確保が困難となった。このことから研究の達成度は「やや遅れいてる」とした。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、調査の終了した『糖尿病足病変ハイリスク患者のセルフモニタリング機能促進看護支援プログラム』の公表に向けた準備を進める。また、研究代表者の異動に伴い、新たな研究実施施設の開拓が可能となった。感染症への対応を視野に入れ、柔軟に研究実施体制を整えていく。また、同時に国内外の最新の知見の収集を継続し、フットケア看護力育成のための教育方略の基本を構造化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に関連する研究結果の整理の遅れによる研究成果報告の遅れ、研究実施の場の整備の難しさが次年度使用額を生じさせた大きな理由である。 使用計画として、令和3年度は、これまでの研究成果の公表準備を整え、新たに研究実施の場の環境整備を進める。それにより学会等への参加、投稿に関する費用、教育に関連する機材の調達や資料等の作成、専門家による知識提供に関する増額が予測される。
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