研究課題/領域番号 |
18K10343
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
内堀 真弓 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (10549976)
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研究分担者 |
山崎 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (10225237)
浅野 美知恵 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50331393)
本田 彰子 東京医科大学, 医学部, 教授 (90229253)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糖尿病看護 / フットケア / 糖尿病足病変 / セルフマネジメント / セルフモニタリング / 慢性病看護学 / 教育プログラム / 糖尿病合併症 |
研究実績の概要 |
本研究は、『糖尿病患者のフットケアのためのセルフモニタリング機能促進看護支援プログラム』による看護師の予防的介入の効果を高めるため、本看護支援プログラムの内容の精錬と、患者の生活の場での足のセルフモニタリング機能を促進する看護支援能力(フットケア看護力)を育成する教育方略を開発することを目的としている。2022年度は、本プログラムの実施前後の血液データおよび対象者の自己評価結果から得られた知見をもとに、実践家からのヒアリングを行った。 1)プログラム実施の評価:血液データから糖尿病の血糖コントロールの指標であるHbA1cや腎機能を示す値の明らかな改善は見られないものの、脂質に関連する値は、介入後3か月ごろまでは緩やかな改善がみられた。セルフモニタリングの自己評価についても、介入後しばらくは高くなっていく傾向が見られたことから、フットケアの場面での、血液データ等のフィードバックによる効果が示唆された。 2)フットケア看護力育成に向けた研究実施の場の検討:本研究では、糖尿病足病変発症高リスク患者が入院する病棟での看護実践力の向上を視野に入れている。昨年に引き続き、研究実施の場の確保を行っているが、コロナウイルス感染症の影響からの人員配置調整等により、研究実施には至らなかった。しかし、実践家からのヒアリングにより、糖尿病発症初期から合併症管理を必要とする時期等あらゆる病期において、入院病棟及び外来で患者と関わることのできるタイミングを逃がさず、足への関心を高めるケアを行うことの重要性を確認した。タイミングを逃がさず関わるためには、糖尿病看護を専門とする看護師のみならず、多くの看護師が、患者の足病変のリスク回避に気を配り、予防的ケアを行うことが必要であり、そのための教育の重要性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では、糖尿病足病変発症高リスク患者が入院する病棟での看護実践力の向上を視野に入れている。研究の実施においては、実践者である看護師の協力が必要であるが、感染症の影響を受け、人的資源の確保は難しい状況にあった。また、安全に研究を実施するための環境整備に関する情報の収集に時間を要した。これらのことから、当初の予定での研究実施に難渋し、研究実施の場の調整に至らなかった。このことから研究の達成度は「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、外来患者への『糖尿病患者のフットケアのためのセルフモニタリング機能促進看護支援プログラム』の実施により得られた研究成果を多角的に捉え、看護師が関わるタイミングや段階的な目標設定の枠組みを整える。それをもとにフットケア看護力育成のための教育方略を示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症の影響から研究実施の場の確保に至らず、調査を実施できなかったことが次年度使用額を生じさせた大きな理由である。 使用計画として、2023年度は、研究体制の再構築を進める。学会等への参加、投稿に関する費用、教育に関連する機材の調達や資料等の作成、専門家による知識提供に関する増額が予測される。
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