研究課題/領域番号 |
18K10346
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 純栄 京都大学, 医学研究科, 講師 (70454410)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 統合失調症 / 自閉スペクトラム症 |
研究実績の概要 |
統合失調症と知的機能の障害がない自閉スペクトラム症(高機能ASD)では、神経解剖学的基盤、日常生活上の困難さ、および支援法にも類似と相違が確認でき、鑑別の難しさや合併症によりその臨床像は複雑さを呈する。本研究では、自閉症傾向(Autistic Traits)とい視点に注目し、日常生活上の困難さを「自己準拠課題」という神経認知機能、「自動思考」や「社会的情報処理」という社会認知機能の2つの側面から解明する。さらに「自己準拠課題」時の脳波を調べ、自己と関連づける記憶の仕組みを脳活動の側面からも解き明かす。それにより、統合失調症と高機能ASD における日常生活上の困難さという行動特性、それを構成する神経認知や社会認知特性、さらには自己準拠機能が解明され、精神科訪問看護や精神科デイケアにて、疾患特異性に則した支援を根拠に基づいて行うことが可能になると考える。
本研究では、統合失調症者と高機能ASD者の“日常生活上の困難さ”をAutistic Traitsという視点から、神経認知機能と社会認知機能の2つの側面から解明する。さらには、脳活動の指標を用いて、 “日常生活上の困難さ”を構成する背景因子を記憶機能から分析する。それにより、訪問看護やデイケアにて支援活動をしている者たちから得られた臨床知見の根拠を多角に的に、つまり神経認知、社会認知および脳活動という側面から説明する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問紙調査は各協力機関にて、予定通り遂行できた。脳波計測のプレテストとして、健常者を対象とした測定方法確認を行い、提示課題の作成も行った。
|
今後の研究の推進方策 |
被験者のリクルートに慎重さと丁寧さが求められるため、予定通り2年間かけてデータ収集を行う。初年度はその準備を整えられたと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画では次年度に行う予定の調査を、一部前倒して行えたため、その解析ソフトや謝金対応として前倒支払い請求として200,000円を使用した。次年度使用学31,458円は、その前倒し支払い請求の影響である。
|