研究課題/領域番号 |
18K10353
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
徳岡 良恵 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (30611412)
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研究分担者 |
林田 裕美 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (10335929)
田中 京子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (90207085)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 皮膚障害予防プログラム / スキンケア / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究は、EGFRTKI投与を受ける肺がん患者による自己評価を用いた皮膚障害予防プログラムの開発と有用性や有効性を評価することを目的としている。2018年度は、プログラム開発の資料とするために、文献検討を行い、EGFRTKIの投与を受ける患者の皮膚の角層水分量は、投与直後から低下し10日後には有意に減少していたこと、ざ瘡様皮疹の出現する症例では、ざ瘡様皮疹が出現しない症例に比べてEGFRTKI投与前の皮脂量、および、ざ瘡様皮疹の有無の評価時点での皮脂量が多かったことが明らかとなった。【研究目的2】のEGFRTKIによる皮膚障害の評価指標を明らかにするについては、文献検討から、水分量と皮脂量が参考となることが示唆された。次に、患者のスキンケアの実際に加えて、ケアの 継続を促進・阻害する因子を明らかにすることが、患者のプログラム遂行の継続を促進する上で必要と考え、2018年度から引き続き2019も、EGFRTKI投与を受ける肺がん患者のスキンケアの実際とスキンケアを促進する要因、阻害する要因を明らかにすることを目的に、質的記述的研究を実施した。13例の患者へのインタビューが終了した。促進する要因は、皮膚障害による苦痛を実際に経験し改善したいという思いや、皮膚障害による苦痛や生活の制限の出現の可能性を予測していることなどであり、阻害要因はスキンケアの手間に対する負担感や症状がなく必要性を感じないことが明らかとなった。また、【研究目的1】看護師がEGFRTKI投与を受ける肺がん患者のスキンケアをどのような視点で評価しているかを明らかにするための質的記述的研究ついても5名の調査が終了した。今後、この結果を分析し、これらの結果をもとにして、次年度にはプログラムを開発、実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
【研究目的2】の患者を対象としたインタビュー、および【研究目的1】の看護師を対象としたインタビューにおいて、データ収集時間が十分とれなかったため時間を要した。現在、患者を対象としたインタビュー結果の分析は終了し、看護師を対象としてインタビュー結果を分析している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、【研究目的1】の看護師を対象としたインタビューの結果を分析しており、【研究目的2】の分析結果、文献検討の結果をもとにEGFRTKI投与を受ける肺がん患者による自己評価を用いた皮膚障害予防プログラムを開発し、今年度より有効性・有用性の評価に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報収集のために予定していた学会参加は、大学内業務と日程が合わず参加しなかったため支出がなくなった。また、介入プログラムの開発・実施が遅れたため皮膚水分量を計測するための機器の購入を行わなかったためである。次年度はプログラム実施予定であり、皮膚水分量の計測器具の購入と計測データ分析のための統計処理用ソフトウェアの購入に使用する計画である。
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