研究課題/領域番号 |
18K10354
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石橋 千夏 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30564976)
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研究分担者 |
藪下 八重 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (60290483)
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70279917)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | セルフマネジメント / クローン病 |
研究実績の概要 |
本研究はセルフマネジメントを「慢性疾患を持ちながらも可能な限り身体の機能を引き出し人生の喜びを最大限に実現するために、その疾患が引き起こす身体上・精神上の課題に取り組むこと」とするLorig(2006)の指摘をもとに、クローン病患者のセルフマネジメントの実態と関連要因を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、2020年度に概念分析と患者への調査からクローン病患者のセルフマネジメントの構成概念を再検討したものを基盤に尺度原案を再構成し、尺度の信頼性、妥当性の検討を行う予定であった。新型コロナ感染症蔓延の影響により、予定通りに研究を進めることが困難であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、概念分析と患者への調査からクローン病患者のセルフマネジメントの構成概念から作成した尺度原案をもとに、尺度の信頼性、妥当性の検討に進む予定であった。 しかし2021年度も新型コロナ感染症による緊急事態宣言や蔓延防止措置が断続的に続く状況だった。本研究で協力を依頼する予定の医療機関のほとんどは、新型コロナ感染症患者の中でも重症患者を受け入れる病院となっており、研究協力を得るための調整が難しい状況が続いた。また緊急事態や蔓延防止措置下では県をまたいでの移動も難しい状況にあった。さらに研究協力者であるクローン病患者は、免疫調整剤やステロイド剤、生物製剤などによる治療を継続して受けており、新型コロナ感染症の重症化リスクが高い。そのため医療機関において研究協力を依頼するための接触も難しい状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は作成した尺度の信頼性、妥当性を検討、およびクローン病患者のセルフマネジメントの実態を明らかにする。新型コロナ感染症のワクチン接種もすすみ、感染予防対策のエビデンスもそろってきたことから、感染防止対策を十分にとることを具体的に医療機関に説明し、協力を得られるように取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に尺度の信頼性、妥当性の検討、およびクローン病患者のセルフマネジメントの実態の調査が実施できず、2022年度に持ち越しとなった。そのためこれまでの助成金を用いて、全国の炎症性腸疾患センターを有する医療機関などで、クローン病患者のセルフマネジメントの実態調査を行う。クローン病は希少難病のため、回収率を高める必要がある。そのため医療機関で直接協力を依頼する予定である。500人程度に調査を行い、その結果を集計、分析、成果発表にも助成金を使用する予定である。
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