研究課題/領域番号 |
18K10356
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
塩見 理香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (70758987)
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研究分担者 |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
池内 香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00611972)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害者 / 対人関係 / セルフコントロール |
研究実績の概要 |
成人期に診断を受けた自閉症スペクトラム障害者の対人関係におけるセルフコントロールを高める看護支援について、再分析を行い7つのカテゴリーが抽出された。≪他者と対象者の相容れない行動の意図や隔たりの背景を理解(する)≫し≪他者と関わる上での対応能力を把握(する)≫していた。これらのアセスメントを基に≪対象者の生きてきた道程を認め、揺らぎを支える≫支援として、今までの葛藤を受け止めると共に、今まで培ってきた他者との関わり方や生きづらさの中で頑張ってきたことを認めていた。そして、対象者中心の行動に至らないように、周囲の人たちに関心を向けることや対象者が自分自身の言動が他者の感情におよぼす影響を理解するために≪他者の感情を想定して対象者自身の言動を調節できるように支援(する)≫していた。≪他者と関わる上で抱く感情の表出を調整できるように支援する≫では、その感情に至った経緯を振り返り、その感情をどのように表現すると他者にその感情を理解してもらえるのか一緒に考え、それを伝える方法やタイミングを説明していた。≪環境を整えることで混乱を制御できるように支援する≫では、相談窓口を整えることや他の支援者と連携することで対象者の混乱を抑えることができるという支援をしていた。また、看護者は、≪対象者自身が望む姿を見定め方向づけられるよう支援する≫ことで対象者が新たな関り方を獲得したいと思う動機付けを支援していた。 対象者は、成人期に診断されるまで、対人関係のトラブルを生じながらも、その人なりの対処方法を獲得し、社会生活を送ってきた。対象者自身が築いてきた対人関係のもち方を認めることや新たな希望を取り入れることがセルフコントロールの動機付けとなる。看護者はそれらの動機付けを足掛かりに対象者自身が自分の行動を振り返り、その場に応じた選択ができるよう支援しているものと考えた。
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