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2019 年度 実施状況報告書

精神科病棟における身体拘束の最小化および最短化に向けた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K10357
研究機関自治医科大学

研究代表者

半澤 節子  自治医科大学, 看護学部, 教授 (50325677)

研究分担者 石井 慎一郎  自治医科大学, 看護学部, 講師 (80724997)
永井 優子  自治医科大学, 看護学部, 教授 (40237491)
宮城 純子  帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (60433893)
冨川 明子  自治医科大学, 看護学部, 助教 (60834190)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード精神科看護師 / 身体拘束
研究実績の概要

本年度は研究計画の第2段階及び第3段階を進行させた。まず第2段階として、仮想事例を含む自記式質問紙調査票を完成させた。調査票には、①身体拘束に関わる日頃のケア、②病棟の看護体制、③勤務中に経験した患者の暴言暴力、自殺未遂などについて回答を求めた。①身体拘束に関わる日頃のケアは、統合失調症急性期の40代男性、幻覚妄想著明で暴言暴力の恐れがあり、医療保護入院同日にマグネット式拘束用具およびミトンの使用を開始した事例を提示した。事例に対する身体拘束の必要性、解除までの日数とその理由などを評価した。②病棟の看護体制は、マグネット式抑制帯などの使用状況、夜勤帯の看護職の人数などの回答を求めた。③勤務中に経験した自身や同僚への患者の暴言暴力、自殺未遂は、経験の有無とともに、こうした経験によるストレスの程度を既存の尺度(改訂版出来事インパクト尺度:IES-R22項目)を用いて評価した。
第3段階として、研究協力機関である精神科病院を訪問し、精神科看護師を対象に自記式質問紙調査票の配布回収を行った。回収した調査データを入力し、解析結果をまとめ、研究協力機関での報告会を行った。解析結果の概要は以下のものである。
事例に対して日中3時間程度部分解除が可能な時期については、最頻値は7日、次いで3日、5日であり、1週間以内で部分解除が可能と回答した人は全体のおよそ半数を占めていた。完全解除できる時期については、最頻値は14日、次いで7日、30日であり、30日以内で完全解除が可能と回答した人は全体のおよそ4割を占めていた。また、勤務中に経験した自身や同僚に対する暴言暴力の経験については、97%の回答者が「ある」と回答し、自殺未遂の経験については74%の回答者が「ある」と回答した。こうした経験のある人に対し、既存の尺度による心的外傷の程度を評価した結果、カットオフ値の25点以上の人がおよそ3割であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた施設に対して調査協力を得ることができ、質問紙調査を行い、結果の概要を施設側に報告することができた。概ね順調に進展していると思われる。しかしながら、調査協力を得ることが難しかった施設もあったため、次年度以降、新たに調査協力を依頼することも検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

現在、新型コロナウイルス感染症の問題が深刻化しているため、調査協力が施設側の負担となることが想定される。無理のない範囲で調査協力施設との関係性を保っていきたい。また、得られたデータの解析結果に基づき、学会や研究会で話題提供し、参加者との情報交換を図っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者のうち調査協力機関での研究報告会に参加が難しく、旅費の一部が執行できなかった。次年度は研究計画の最終年度のため、年度途中の段階で適宜支出計画を見直したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 日本における精神科看護師の隔離に対する臨床判断2020

    • 著者名/発表者名
      石井慎一郎、半澤節子、永井優子、宮城純子、酒井克子、谷田部佳代弥
    • 学会等名
      第6回世界看護科学学会学術集会
    • 国際学会
  • [学会発表] 精神科病院における隔離に対する倫理的悩みと人的環境要因2019

    • 著者名/発表者名
      石井慎一郎、半澤節子、永井優子
    • 学会等名
      第18回自治医科大学シンポジウム

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公開日: 2021-01-27  

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