研究課題/領域番号 |
18K10357
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
半澤 節子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (50325677)
|
研究分担者 |
石井 慎一郎 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80724997)
永井 優子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (40237491)
宮城 純子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (60433893)
冨川 明子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (60834190)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 統合失調症 / 身体拘束 / 解除 / 看護師の認識 / 暴言暴力 |
研究実績の概要 |
得られたデータを解析し、第40回日本看護科学学会学術集会;2020.12.12/13において研究成果を発表した。演題名:身体拘束の最小化および最短化に関する精神科看護師の認識、発表者:石井 慎一郎、冨川明子、半澤節子、永井優子 【研究方法】調査協力に同意が得られた看護者を対象に、仮想事例(40代の男性,20代で統合失調症を発症し数回の入院歴あり。幻覚妄想著明で母親への暴言暴力がみられ、今回医療保護入院と同時に身体拘束開始となり入院2日目)を提示し、「あなたの勤務する病棟では、Aさんのような人はあと何日くらいで日中3時間程度の身体拘束解除を開始できそうですか」「あと何日ぐらいで身体拘束の完全解除を開始できますか」という設問に対し日数及びその理由などを自記式質問紙調査票により評価した。 【結果】回答者68名の属性は,女性60.3%,平均年齢36.7±10.1歳(範囲22-63),准看護師4.4%,精神科臨床経験年数9.3±8.3年(範囲0-36),病棟別では精神科救急・急性期治療病棟が44.1%,次いで精神科一般病棟29.4%、包括的暴力防止プログラム(CVPPP)受講歴あり47.1%であった。「日中3時間程度の部分解除開始」の最頻値は「7日」27.9%、自由記載の分析から、身体拘束を解除可能な状況について、「暴力的な言動、不穏や興奮状態が減少もしくは消失する」「(患者が)看護師との話し合いを理解し約束ができる」「夜間の睡眠が維持できる」「点滴の自己抜去がない(もしくは終了する)」「内服治療に応じられる」「再拘束の約束、あるいは協力ができる」などの記載がみられた。 【結論】「暴言暴力といった問題行動が改善し治療に協力できる状態になるまでは身体拘束の解除は難しい」という看護師の認識が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症の蔓延により学会はすべて遠隔システムによる開催となったが、予定していた研究成果を関連する学会で発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
学会は今後も当面遠隔システムによる開催となり、予定していた旅費の支出が執行できない状況が続くため、延長した1年間を有効に活用し、得られたデータに基づき研究成果をまとめ公表するとともに、調査協力施設などと連携し、次なる研究課題について検討していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の問題が長期化し、調査協力施設との対面での連絡調整が難しく、また、学会発表を目的とした出張ができず、国内および国外旅費の支出が抑えられたため次年度使用額が生じたと考えられる。 こうした状況は今後も継続が予想されるため、研究成果の報告や調査協力施設との連絡調整は、今後も遠隔でのコミュニケーション手段を用いた対応を計画している。
|