研究実績の概要 |
統合失調症の病いを持ちながら地域で生活を継続するには、症状をコントロールするために日常生活を修正する必要がある。しかし、症状の多様性などから個別性が顕著であり、長い経過を経ても病いとともに生きることに困難さを伴うことが多い。 本研究は、先行研究で明らかにした病いとの「折り合い」の概念をもとに、統合失調症者(以下、当事者)の地域生活の質の向上に寄与することを目的とし、尺度開発を行うことにした。病いと「折り合い」をつけることは、自分らしく生きることにつながると思われるが、折り合いがついているか否かを明らかにすることは難しい。折り合いの尺度を開発することにより、当事者が病いと折り合いがついているか、明らかにすることでひいては必要な支援も明らかにできると考える。 初年度は、先行研究で明らかにした「折り合い」の概念をもとに質問紙を作成し、調査の準備を行った。次年度にかけてデータを収集し、調査後収集したデータの分析(項目分析、妥当性、信頼性の検証等)を行い、以下の学会発表を行った (2020HAWAII INTERNATIONAL CONFERRENCE OF EDUCATION)。 最終年度である当該年度は、学会発表した内容を論文とするために執筆活動を行い、 以下のテーマで 「Development of the "Scale of Identity Adaptation (SIA)" for People with 、Schizophrenia」International Journal of Nursing & Clinical Practices 2021, 7: 335 に発表した。
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