研究課題/領域番号 |
18K10366
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
福田 美和子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80318873)
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研究分担者 |
明神 哲也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00521428)
坂本 なほ子 東邦大学, 看護学部, 教授 (20398671)
岡部 春香 東海大学, 医学部, 講師 (30438858)
本田 多美枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40352348)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | クリティカルケア / リフレクション / ファシリテーション |
研究実績の概要 |
本研究は、クリティカルケア領域に勤務する看護師コミュニティにリフレクションしあう関係が形成され、互いの看護実践力を高めあうコミュニティとするための、基礎研究として位置付けている。このため、検討した結果コミュニティ形成の核となる実地指導者に相当する中堅看護師のリフレクション支援力が重要と考えた。このため、リフレクション支援に欠かせないリフレクティブな対話を支えるファシリテーション力を向上させるプログラム開発に注力した。プログラム開発に向けて、文献検討や過去の研究によって得られた成果をもとに要素抽出を行った。具体的には、組織や部署の異なる実地指導者レベルに相当する看護師に、セッション参加を求め、現場でファシリテートしてみての課題の共有とセッション時にリフレクションを互いに実施してみてリフレクションの進展からみてファシリテートがどうであるか確認しあうプログラム構成を確立した。さらに構築したプログラム案を展開し有用性について検討するためのデータ収集を計画し倫理審査の承認と協力者を得ることができた。 しかしCOVID-19感染拡大の影響をうけ、2020年度2021年度の2か年にわたり、データ収集をすることができなかった。このため、実践家のファシリテーション力を高めるためのプログラムに使用する教材の洗練とその冊子化を優先し、研究活動をすすめた。プログラムに使用する教材には、具体的なリフレクションの進展とその進展を支えるファシリテーションの具体とその意味について、範例を充実させ、ファシリテーターとなる実践家が参考にしやすいようにした。加えて、教材評価の視点の抽出を開始し、プログラム運用を目指すための基礎的研究を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は2020年度にプログラム実施を予定し、倫理審査の承認をえるところまでできていた。しかし、COVID-19感染初期と重なり2020年度のデータ収集は断念せざるを得なかった。2021年度にCOVID-19感染対策を加えたプログラム実施を予定し、倫理審査の承認をえて研究対象者の同意を得るところまで進めることができた。しかし研究対象者の同意を得てからプログラム実施日までの間にCOVID-19感染第5波・第6波の影響を受け、同意の得られた研究対象者が勤務変更や勤務交代、施設によってはCOVID-19重症患者を受け入れるための組織再編成に伴う部署異動なども生じ、予定していたプログラム実施日に研究対象者が参集することができなくなる事態となった。このため、2021年度も研究実施を断念せざるを得なくなった。なお、研究対象者の同意はそのまま継続しており、2022年度実施に向けた準備を整えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度研究実施に向けた準備をもとに、2022年度の研究実施を行う。ただしCOVID-19感染拡大状況によっては、本研究で対象としているクリティカルケア領域に勤務する看護師は、その重症者への対応から、研究協力が難しくなる要因が、2021年度と同様に現存していることは否めない。予定通りのプログラム内容が実施できなかった場合は、2021年度に洗練させたファシリテーター育成プログラムに使用する教材に対するアンケート調査などに研究予定を変更せざるを得ないことも勘案しつつ、データ収集に向けた準備を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大第5波・第6波の影響を受け、2020年度2021年度の2か年にわたりでデータ収集が不可能であった。本使用額は調査に必要なものとして計画していたものである。
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