研究課題/領域番号 |
18K10367
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
直成 洋子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (70341998)
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研究分担者 |
小幡 明香 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (20734809)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | がん看護 / 認定看護師 / 専門的実践能力 / キャリア成熟 / 支援モデル |
研究実績の概要 |
本研究は、がん看護に関わる認定看護師の専門的実践能力やキャリア成熟推進に向けた支援モデルの構築することである。本年度は、支援モデルの考察に向けて、以下を実施し成果を得た。 1.専門的実践能力の特徴と関連要因:全国のがん看護を専門とする認定看護師432名(回収率30.7%)。専門的実践能力評価尺度を用いた調査の結果、がん看護経験年数や認定看護師活動年数による有意差が明白となった。15年以上のがん看護経験年数を積むことにより、専門的実践能力の<コンサルテーション>や<倫理的ジレンマへの対応とその解決>が高い特徴がみられた。また、認定看護師活動年数では5年以上で資格を更新した者は<コラボレーション>や<コンサルテーション>が高い特徴がみられた。以上、自己の価値観を確立できるよう自己分析をすることや、がん看護をチームで支える他の医療職者と協働して総合的な視野から自身で課題解決することが重要であると考えられた。 2.キャリア成熟の特徴と関連要因:職業キャリア成熟尺度を用いて調査した結果、専任の者は自律性をより感じており、キャリア成熟の<関心性>、<自律性>、<計画性>の順に高く、やりがいと関連していた。以上、がん看護に関わる認定看護師は、もともと自己のキャリアを成熟させることに強い動機づけがなされていることが明らかとなり、困難感を克服しやりがいを高める取り組みの必要性について示唆を得た。 3.専門的実践能力とキャリア成熟の関係:専門的実践能力とキャリア成熟への関心性、自律性や計画性の関連が示された。が、キャリア成熟尺度が看護者に特化したものでないため、関係の解明には限界があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、記載した研究計画に沿って、質問紙を用いて全国調査を行なった結果を分析し、関連学会に公表した。そのため、本研究は概ね予定通りの進捗状況であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は申請時の研究計画に沿って、がん看護に関わる認定看護師の専門的実践能力およびキャリア成熟推進に向けての支援に関する示唆を得るために、研修会・研修会前後の調査を予定している。研修会前後の調査は、面接による質的な調査と同様の項目についての包括的な量的調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時の計画では、海外の看護カンファレンスでの情報収集や国際学会での研究成果の公表を見込んでいたが、スケジュール調整上困難となった。 次年度は、研究打ち合わせや研修会、調査を実施する計画である。そのため、研修会の企画・運営を行う研究協力者への謝礼や研究参加者への調査のための謝金を計上する。研究成果については国内外での公表とともに、論文投稿に必要となる英文校閲のための費用を研究費から支出していく。
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