研究課題/領域番号 |
18K10367
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
直成 洋子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (70341998)
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研究分担者 |
小幡 明香 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (20734809)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん看護 / 認定看護師 / 専門的実践能力 |
研究実績の概要 |
本研究は、がん看護に関わる認定看護師(以下CNと略す)の専門的実践能力やキャリア成熟推進に向けて支援モデルを構築することである。 今年度は、がん看護認定看護師の役割における実践の特徴について明らかにすることを目的とした。がん看護に関わる認定看護師に無記名による調査を行い自由記述により378名から回答を求めた。 質的に分析した結果、がん看護に関わるCNは、<全人的にアセスメントし、対象者や家族の立場を尊重する>、<対象者や家族の生活の質の向上を目指す>などの≪生活者としての対象者を全人的にアセスメントし、生活の質の向上を目指す≫であった。また、<エビデンスに基づき安全・安楽を優先し対象者の利益につなげる>ことに努め、<対象者の価値観や考えを尊重して意思決定を支援する>という≪安全・安楽を優先し、価値観を尊重して、対象者の利益につなげられるよう意思決定を支援する≫であった。そして、<実践を可視化し役割モデルとなり、より質の高いケアを実践できるよう自己研鑽する>、<スタッフとともに対象者に適したケアを推進する>、<自己の姿勢や立場を明確にし、看護チームの連携および多職種と協働する>という≪スタッフのマネジメントおよびコーディネートによるより質の高いケアの提供と多職種とコラボレーションする≫という実践の特徴が明らかになった。 がん看護に関わるCNの実践の特徴は、認定である自己を意識しつつ、他の看護師と共に対象者を全人的にアセスメントし、生活の質の向上を目指していた。また、がんという病いをもつ対象者が、安全や安楽を優先し、価値観を尊重して対象者の利益につなげられるよう意思決定のプロセスを支援していた。さらにCNとして、組織に溶け込み実践を可視化し役割モデルとなること、および多職種とのコレボレーションにより専門職性を発揮し、組織横断的にチーム医療に貢献していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、研修会および研修会前後の調査ができない状況であった。そのため、がん看護に関わる認定看護師と方法を検討して進める予定であったが、がん看護に関わる認定看護師の支援モデルの構築には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、COVID-19の感染拡大防止のため、今回の調査結果を踏まえて、先行研究および研究協力者と調査結果について検討し示唆を得て、がん看護に関わる認定看護師の専門的実践能力やキャリア成熟推進に向けて支援モデルの構築について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、COVID-19の感染拡大の影響により、研修会や研修会前後の調査の中止、学術集会がWeb開催となった。 次年度は、研究協力者への謝礼、研究成果の公表とともに学会参加のための費用、論文投稿に必要な費用、文献複写や消耗品などを研究費から支出していく。
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