研究課題/領域番号 |
18K10370
|
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
竹下 裕子 (吉田裕子) 摂南大学, 看護学部, 准教授 (10437668)
|
研究分担者 |
田中 結華 摂南大学, 看護学部, 教授 (80236645)
稲垣 美紀 摂南大学, 看護学部, 教授 (60326288)
橋弥 あかね 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00457996)
竹下 篤 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (30298765)
佐藤 禮子 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (90132240)
稲垣 範子 摂南大学, 看護学部, 講師 (90782714)
長沢 美和子 摂南大学, 看護学部, 助教 (30845748)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 一般市民 / がん罹患 / 支援 / 困難感 |
研究実績の概要 |
2021年度は医療従事者を対象に支援の課題抽出を目的とした調査を実施予定であったが、新型コロナ感染症による医療逼迫や医療従事者の過負担に配慮し、機会をみていたが実施できなかった。そこで計画を変更し、2019年に900名を対象に実施した大規模インターネット調査について、「がんと診断された人と身近な関係にある一般市民が抱く困難感」として得られた結果の自由記述の分析を行い、2022年2月に第36回日本がん看護学会学術集会にて発表した。得られたデータの分析は、自由記述から困難として表された内容を抽出しコード化、類似する内容に従ってカテゴリー化した。自由記述のコードは259、最終的に7カテゴリーに集約され、【病状や心の状態に合わせた接し方や対応方法に悩む】【本人の意向を汲み治療や療養場所を選択していくことについて悩む】【病状の進行や身体症状の悪化に対して悩み不安になる】【がんや死に直面し精神的な辛さが続き痛手を受ける】【見舞いや介護、家族の間に生まれる心の溝に疲弊する】【思うように会えない辛さがある】等であった。本調査結果では、がんと診断された人と同居や主介護者で無い人が大半を占めたが、身近な人のがん診断後には、がんの病状と心の状態に合わせ、意向を汲むことを大切に関係しようと模索するなかで困難感を生じている。さらに患者本人にとって望ましい治療や療養場所の選択に苦慮、自身も精神的な痛手を受けて、関係する人との間に心の溝が生まれる状況で困難感を抱いていると推察される。家族構造の変化があるなかで、一般市民が安心して関わりを維持でき、身近なコミュニティ全体でがん罹患者の意向に沿えるような環境整備の検討が課題となることを報告した。この調査結果について前倒しで、現在論文化を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症による医療逼迫や医療従事者の過負担に配慮し、機会をみていたが実施できなかった内容があり、研究計画を変更したため。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、医療従事者の調査が困難になることも考慮しながら、インターネット調査と文献レビューの結果から抽出された課題に対応した教材・啓発プログラムを掲載したホームページを作成する。作成したプログラムとホームページについて医療従事者から意見をいただき修正し、本研究目的である「暮らしの中でできる一般市民向け末期がん患者支援に関する教材・啓発プログラムの提案」とする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
医療従事者を対象にした研究計画であったため、医療状況逼迫による計画の遅延・変更が生じたため。
|