研究課題
本研究の目的は、一般市民が身近な暮らしの中で末期がん患者を支える際に生じる課題抽出と解決のための取り組みについて、一般市民と医療従事者の双方を対象に調査し、課題解決に向けた一般市民向け末期がん患者支援のための教材開発と啓発プログラムの提案を行うことである。本研究の最終年度は、日常的に臨床現場でがん患者に接する医療従事者を対象に、インターネットリサーチを実施予定であったが、新型コロナ感染症拡大による医療現場の逼迫や負担に配慮し、研究方法の変更を行った。その具体的内容は、①医療従事者が考える一般市民が暮らしの中で身近にできる末期がん患者支援の内容、課題について、聞き取りを行う、②一般市民900名を対象に実施したインターネット調査法の結果、身近な人ががんの診断を受けた経験の有る一般市民542名のうち、主介護者で無い455名に対象を絞り、再分析を実施した。主介護者でない人の背景や困難感の内容等、特徴的な課題を明らかにした。③これらの資料を基に、課題解決に向けた一般市民向け末期がん患者支援のための教材開発と啓発プログラムの作成へ進めた。地域包括ケア構築のためのintegrated careを実現するフレームワークとして、システム全体で統一された利用者分類システムを用いることが提案されており(筒井,2014)、一般市民における主介護者でない人を利用者分類システムの一つに設定したプログラムを作成した。これは、本研究における特徴である。プログラムはWebサイトの構築を行うこととし、ホームページ制作会社と検討を重ねて、支援内容を第一、第二、第三階層に分岐させたサイトマップを作成した。がん患者支援を一般市民の方と一緒に考えるためのWebサイトの基礎構築、及びデザイン化を行い、「教材開発と啓発プログラムの提案」の成果を得た。なお、本研究の一部の論文化を行い、投稿を行っている。
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日本がん看護学会誌
巻: 37 ページ: -
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