研究課題/領域番号 |
18K10375
|
研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
新村 順子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 主任研究員 (90360700)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | mental health nursing / co-production / coercive practice |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナ感染症の拡大のため、Zoomによる研究コアチームミーティングが主な活動となった。今年度は当事者の方、当事者との研究活動の経験豊かなメンバーに参画頂き、計11回のミーティングを実施した。ミーティングでは当事者との共同創造(コ・プロダクション)についての理解をより深めるため、英国で自治体職員向けに作成されたマニュアルを基に、ディスカッションを深めた。 ディスカッションでは、マニュアルで取り上げられている、当事者とのコ・プロダクションを実施するために自治体職員として必要な視点(コ・プロダクションを行うにあたっての姿勢・心構え、プロセス、当事者との関係性、コミュニケーション、評価)を基に、日本で、当事者とのコ・プロダクションを実際に行うためには、何が障害となっていて、どのような手順が現実的に求められるのかなどについて討論した。日本での、当事者と専門職とのコ・プロダクションを促進するためには、専門職が、なぜ今、コ・プロダクションを必要としているのか、コ・プロダクションを用いてどのような目的を達成しようとしているのか組織として明確にしていること、支援者側が当事者側とのパワーの不均衡に敏感であること、当事者側も、当事者側が感じている困難について意識化・共有化していく必要があることが明らかになり, 精神科領域での強制医療の削減に向けた、当事者とのコ・プロダクション導入に向けての示唆を得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はコロナ感染症の拡大により、調査等を実施するのが困難な状況があったため。
|
今後の研究の推進方策 |
隔離拘束プログラムを先駆的に実施している組織の組織管理者に向けてのインタビューガイドの作成、インタビューの実施を目的としていたが、コロナ感染症の拡大のためインタビュー等調査実施の交渉が困難となっている。実現可能性を検討し、精神科措置入院者への入院および退院支援を行っている地域支援者へのインタビュー調査等を検討中である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症拡大のため、アンケート及びインタビュー調査が未実施のため、調査費用および謝金等で未使用が発生している。次年度実施に向けて準備を進める。
|