| 研究課題/領域番号 |
18K10380
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70163657)
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| 研究分担者 |
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
小西 佳世乃 金沢大学, 保健学系, 助教 (80708470)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 乳児 / 泣き / 育児支援 / プログラム / 効果 / 検証 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳児の泣きに着目した育児支援プログラムの効果を検証することである。本研究では、母親が育児を困難に感じる要因の一つと考えられる“児の泣き”に着目している。近年、問題となっている子どもの虐待の原因に、児が泣きやまないことによる感情抑制不足があげられている。児の泣き声は、母親を乳児のもとへ引き寄せるものであるが、時に乳児の泣き声は、母親のストレス源となり得る。乳児の泣きに対して、困難や不安を増大させることは、その後の育児ノイローゼや虐待等の危険性につながる可能性を秘めている。したがって、このような状況を予知し、母親の育児困難感や不安感の軽減に貢献できる育児支援プログラムの開発が急務である。
我々は、これまでに児の泣きに対する母親の困難感が具体的にどのようなものかを探り、児の泣きに対する困難感の構造を明らかにしてきた。さらに、母親の児の泣きに対する困難の程度を得点化する尺度を開発してきた。そして、母親の育児困難感の軽減を目指した育児支援プログラム（試作版）を作成してきた。試作版では、母親が児の泣きに対して見通しが持てるようになることを目指し、泣きへの対応に困難を感じる時期、泣きの意味がわかるようになる時期、泣いたときの母親の対処方法を示したリーフレットによる介入を行う介入群と通常ケアの対照群との比較を行ったが、結果として、介入群と対照群の母親の困難感得点に有意差がみられなかった。そのため、この試作版を見直し、内容や介入方法などを再検討し、当該年度において、現代の妊婦の特性を考慮し、紙ベースの情報提供と質問紙調査から、ICTを用いたWebによる調査と情報提供を一体化させるプログラムの開発を行った。Web調査の実施に向けて、倫理審査委員会への申請・承認を得たのち、研究対象者が受診する研究協力施設に依頼を行い、調査を開始した。現在、調査の実施とデータ回収中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染拡大の影響のため、医学倫理審査委員会においては、通常業務が行えない状態となったため、通常期間より大幅に遅れた審査となり、倫理審査委員会からの承認を得るまでに長期間を要した。また、当初、研究対象者のリクルートを妊娠期から行う予定で計画していたが、今年度、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、妊娠を控えるといった現象がおきていることを研究協力施設から伺い、研究対象者数を確保しにくい状況が予想されたため、産後の母親も含めてリクルートすることで、対象者数の確保に努めることとした。そのため、再度倫理審査委員会に追加申請を行い、再審査となったことも承認を得るまでに時間を要した要因となり、予定していた時期に調査が開始できなかった。さらに、研究対象とした妊婦と出産後の母親からの調査回収が、予定していた本年度末までに目標値に届かなかったため、現在、調査依頼と回収期間を延長して、対象数の確保に努めている段階である。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究は、妊娠中もしくは出産直後から出産後7～8か月までの継続調査である。調査依頼期間を延長したことで、目標とする対象者数の確保に努めているが、出産後7～8か月までの継続調査のため、最終段階での調査回収を得るのが、年度末近くになる見通しである。本研究の遂行のために、研究年度の延長も視野に入れていきたいと考えている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初、旅費として申請していた国際学会（ICM/インドネシア・バリ）が、新型コロナウイルス感染拡大のため、2021年度に延期となり、使用しなかったためである。2021年度においては、このICM大会がバーチャル会議と変更となり、国際学会の旅費としては予定がなくなった。そのため、この旅費申請分は、現在、実施中のWebによる継続調査の解析のための人件費と、論文作成費用、ならびに現在稼働中のデータアナリシスWebシステムによる情報提供の充実とその運用費用に充てることとする。
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