研究課題/領域番号 |
18K10386
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 晶子 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (30816385)
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研究分担者 |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
本田 純久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90244053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 出生コホート調査 / インフォームド・アセント |
研究実績の概要 |
子どもを対象とした研究において、研究に関する説明と参加への同意を得る対象は保護者となるが、研究対象者の未成年の子どもに対して調査内容を理解できるよう説明し、賛意を得ることを「インフォームド・アセント」という。 本研究は、この点に着目し、出生コホート調査における子どもの参加意識の形成過程を明らかにする。具体的には、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」が実施されている福島県において、調査に参加する小学生児童とその保護者を対象に質問票調査、インタビューなどに協力いただき、エコチル調査に対する子どもの参加意識の形成過程や参加意思への表出過程及びそれを促進する要因について分析することを目的としている。 コロナ禍以前に本研究における調査が未開始のため情報は未取得であった。令和5年度は、5月に新型コロナウイルス感染症の位置付けが「5類感染症」になった。しかしながら、この時期は対象地域で新型コロナウイルス感染症の定点当り報告数が増加傾向を示していたことから、調査開始を見送った。 その後、新型コロナウイルス感染症報告数の減少が見られるとインフルエンザの流行時期となる状況が続き、前向き調査による子どもたちの感染リスクと負担を避けた。 令和5年度の実績は、次の1)~2)である。1)調査延長の申請を行い、調査延期、調査期間延長に対応した研究デザインを練るとともに、変更申請準備、調査内容の変更を検討した。2)前年度より引き続き、インフォームド・アセント、混合研究法に関する文献レビューを行い、知見を深め、研究デザインを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度において、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の位置付けが5月に「5類感染症」となった。しかし、その後定点当り報告数が秋ごろまで増加傾向を示すなど、依然感染症に留意する環境が続いた。このことから、対象となる児童への影響を考慮し、計画していた調査を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」となり1年が経過し、調査協力における様々な感染症リスクが低減し安定している状況となった。 令和6年度は調査延長を申請し、研究計画を修正変更して調査を実施する。 調査は、出生コホート調査に参加する小学生児童とその保護者を対象に、質問票調査と、半構造化インタビュー調査を実施する。そして、量的、質的情報を統合的に分析し、出生コホート調査の対象者である子どもの参加意識とその形成過程、これらに影響を与える要因について考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は、新型コロナウイルス感染症は感染症法上「5類感染症」に位置付けられたが、その後の対象地域での罹患状況等から対象となる子どもたちへの影響を考慮し調査を実施しなかった。また、必要な物品等の購入はすでに行っていたため使用しなかった。 令和6年度は、調査実施のための費用、学会発表、論文作成等に使用する予定である。
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