研究課題/領域番号 |
18K10387
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
種吉 啓子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (80352053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子ども / 登園渋り |
研究実績の概要 |
本研究は、「登園渋り」の現状を明らかにして、幼児期にある子どもと働く両親に寄り添う視点から支援を検討することを目的にしている。 2018年度と2019年度の2年間をインタビュー調査とその分析を行う計画に設定している。そのなかで、2018年度は、研究計画1年目であり、まずは、子どもの「登園渋り」の実態と保護者の対応を明らかにすることを目的に研究を遂行した。研究代表者が所属する大学の研究倫理委員会の承認を得た後に、保育所に通うなかで登園渋りを経験したお子様の保護者を対象にインタビュー調査を行った。保育所から紹介を受けた場合には強制力が働く可能性が否定できないため、スノーボールサンプリングで対象者を集めた。また、インタビューでは、「お子様が登園渋りをされたことがありますか。その際の状況や気づいたきっかけについてお聞かせ下さい」「お子様が登園渋りをされた際、どのように対応をしましたか。困ったことなどがあればお聞かせ下さい」など、「登園渋り」の現状が明らかになるような質問をしている。 分析には、ある状況に関して、何を変えれば得られる結果を変化させることができるのかを明らかにして、理論の構築を目指す分析方法である、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を用いて行っている。この方法は、インタビュー調査とデータ分析を同時に行うため、現在も分析を進めながら、研究対象者のリクルートを継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者のリクルートにスノーボールサンプリングを行っているため、多くの時間と人脈が必要であること、さらに、保育所に子どもを預けている保護者は勤労しているため、インタビュー調査の時間を調整することが難しいことにより、当初の予定よりやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、2018年度の調査を継続して、保育所に通うなかで登園渋りを経験したお子様の保護者を対象にインタビュー調査を行う。加えて、インタビュー調査を終了した研究対象者のうち2名の方に結果を示し、妥当性を確認することともに、本研究の準備として遂行した「登園渋り」の概念分析の結果とあわせ、明らかになった結果を用いて調査項目を検討し、大規模調査に向けた準備を行うことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者をスノーボールサンプリングでリクルートしていることと、研究対象者は、保育所に子どもを預けている保護者であるが、その方々は勤労しているため、インタビュー調査の日程調整に時間を要していることにより、研究対象者が少なくなり謝礼等に支払うための支出が少なく、その結果、使用額が当初の計画以下になったことが理由である。 したがって、2019年度分として請求した助成金は、現在調整中の研究対象者への謝礼やインタビュー記録のテープ起こしのための経費に使用する予定である。
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