小児がんの子どもの治癒が困難と告げられてから在宅療養を選択した親の意思決定プロセス及びその支援について明らかにすることを目的とした。文献レビュー及び海外研修から得た資料、終末期での在宅療養を経験した小児がん患児の親へのインタビュー、さらに在宅移行支援への経験のある医療者へのインタビューを行った。その結果、親は、代理意思決定する迷いや葛藤、揺らぎを行きつ戻りつしながら、医療者や家族・周囲からの支持を力に在宅移行への選択を肯定的に捉えていた。さらに子ども自身の意思も尊重される感覚を大事にすることが重要であった。医療者自身も葛藤しながらも子どもや親の揺らぎに添いながら、親の意思決定を支えていた。
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