研究課題/領域番号 |
18K10390
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
横森 愛子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (90413210)
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研究分担者 |
依田 純子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (60279908)
浅川 和美 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60283199)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児がん / 父親 / 母親 / 家族看護 |
研究実績の概要 |
今年度は、父親と母親、それぞれを対象として、乳幼児期に小児がんを発病し初回治療を受ける患児を支えるプロセスを明らかにする目的で研究を実施した。 1.父親を対象とした研究成果について;6名の対象者にインタビューを実施し、逐語録を作成しM-GTA研究法を用いて分析した。その結果、19の概念が抽出された。概念間の関係性を検討し、カテゴリーを生成している。また、今後の理論的サンプリングの必要性について検討中である。 2.母親を対象とした研究成果について;13名の対象者にインタビューを実施し、逐語録を作成しM-GTA研究法を用いて分析している。分析途中であり、概念感の関係性を検討しながら概念生成を実施している。 父親、母親ともに分析の終了に至ってはいないが、それぞれが役割をもって闘病する患児に関わる状況が見出され、患児を中心とした生活において家族が結束していき、それが患児を支えることにつながっているのではないかと考えられた。本研究の成果により闘病する患児を支える家族への看護の示唆を得ることができることから、2年目の研究につながる意義がある研究であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
父親と母親、それぞれを対象として、乳幼児期に小児がんを発症し、初回治療を受ける患児を支えるプロセスを明らかにする目的で研究を実施したが、父親に関しては対象者がなかなか集まらなかったことから、分析が遅れている。M-GTA研究法を用いて分析経過中であるが、理論的飽和化の判断について検討している。
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今後の研究の推進方策 |
〔1年目の研究の継続〕父親が乳幼児期に小児がんを発症し、初回治療を受ける患児を支えるプロセスを明らかにする研究においては、理論的飽和化となる判断の可否によっては、継続して対象者をリクルートし分析を進めていくことを検討している。 〔2年目の研究計画〕2年目の研究は、1年目の研究成果を基にして、乳幼児期に小児がんを発症し、初回治療を受ける患児を支える家族力のアセスメントガイドを作成することを目的としている。1年目の研究から2年目の研究を遂行する上での課題が見出されたため、そのことを踏まえて、研究計画を次のように変更する。 1.2年目の研究遂行における課題;研究計画立案時は、①アセスメントガイド(案)と②アセスメントガイドの活用手引き(案)を作成してから、小児看護の臨床経験が10年以上ある看護師を対象にして、①・②についての修正点や臨床での実現可能性などについて面接調査を実施することを計画していた。しかし、1年目の研究で明らかにされることは対象者の状況による限界があることから、先にアセスメントガイド(案)を作成するとその内容に偏りができてしまうことが想定された。また、研究協力を得る予定の施設から、小児看護の臨床経験が10年程度の看護師は選定することが困難であるという回答を得たため、経験年数を修正する必要が生じた。 対応策:アセスメントガイド(案)の作成前に、小児看護の臨床経験が5年以上の看護師を対象として、乳幼児期に小児がんを発症し初回治療を受ける患児の両親への看護経験についてグループインタビューを実施し、それを質的記述的研究法を用いて分析する。その結果と1年目の研究成果を基にしてアセスメントガイド(案)を作成する。そのアセスメントガイド(案)について再度同じ対象者にグループインタビューを実施して、その結果をもとに修正加筆し、アセスメントガイド(案)と手引き(案)を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
〔理由〕①研究費が使用可能となるまでの期間、自費で費用を賄ったためである。自費の内訳:交通費、インタビューの会場借用費用、参加者への謝礼、逐語録の作成など。 ②対象者がなかなか得られず研究に遅れが生じたため、予定していた学会発表や論文投稿ができなかったことによる旅費に余剰が生じたためである。 〔次年度の使用計画〕①学会発表のための旅費 ②2年目の研究計画修正により、インタビューは1回多くなる。そのために生じる人件費・謝礼、物品費、旅費 ③資料作成の効率化のための物品購入 以上、①・②・③に使用することを計画している。
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