研究課題/領域番号 |
18K10392
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70331650)
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研究分担者 |
長江 美代子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40418869)
田野中 恭子 佛教大学, 保健医療技術学部, 講師 (50460689)
土田 幸子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (90362342)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 家族支援 / アウトリーチ / きょうだい / 心理教育 / メリデン家族ケア / 精神障害 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、精神疾患を患う当事者の同胞への心理教育の手段として、『アウトリーチ型の心理教育プログラムを開発』することである。研究機関の目的として以下の3点を掲げている。 1)若年の精神疾患患者の同胞の実態を明らかにする<作業①②>①ヤングケアラーの実態調査②同胞自身の状況についての実態調査、2)思春期・青年期の同胞向け心理教育用ワークブックの作成、3)アウトリーチ型心理教育プログラムの開発および試適運用と評価 2018年度は、作業①及び②を行うことを前提に、きょうだいのおかれている状況や、支援等についても資料を集めるようにした。作業①若年の精神疾患患者の同胞の実態を明らかにするため、対象とする3県から、都市部及び農村部に立地する精神病院10か所において2017年度10代~20代で入院・受診した統合失調症圏内患者の、同胞の有無・同胞の年齢・性別・同居の有無について調査する予定であったが、病院との調整に時間を要し、実際の調査にまでは着手できていない。 きょうだい支援の現状を知るために、国内のきょうだい支援事業を実践している団体の一つである、NPO法人しぶたねが開催した「シブリングサポーター研修ワークショップ(和歌山市開催)」に参加 した。精神疾患に特化したものではないが、病気のきょうだいをもつ子どもたちのもつ心理状態や、親の思いについての講義を受けた後、実際に子どもたちを対象にしたアクティビティの実際を演習として行った。研修の中で提示されたきょうだいがもちやすい気持ち「不安・恐怖」「困惑・恥ずかしさ」「罪悪感・自責感」「怒り・嫉妬」「寂しさ・孤立感」「自己肯定感の低下」「将来への不安」は、精神疾患患者のきょうだいにも同様に認められることであり、きょうだい支援の重要性を改めて実感することができた。研修内容を基にきょうだいへのインタビューガイド等を再検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年度は、目的の作業①にあたる若年の精神疾患患者の同胞の実態を明らかにするため、対象とする3県から、都市部及び農村部に立地する精神病院10か所において2017年度10代~20代で入院・受診した統合失調症圏内患者の、同胞の有無・同胞の年齢・性別・同居の有無について調査する予定であったが、病院との調整に時間を要し、実際の調査にまでは着手できていない。理由としては、①対象となる病院との交渉準備に時間がかかり、実際のデータ収集まで着手することができなかった。②主任研究者における研究以外のエフォートが増加する状況があり、共同研究者との打ち合わせ等も十分に行えなかったこと。これら2点が主たる理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、遅れている研究を進めるために、共同研究者との会議等も密に取り合うようにし、研究の進捗状況についてもこまめに確認を行うようにする。病院に対する調査については、再度主任研究者の居住する地域の精神科病院を中心に、調査の目的を説明するとともに協力を依頼していく。病院の数に関しては当初の数より少なくなるかもしれないが、きょうだい支援の必要性に関して一定のエビデンスを得るためにも、今年度後半には、数値化したデータをまとめていく予定である。きょうだい当事者に関するインタビューについても、今年度中に倫理審査を通すとともに、協力者を捜していきたい。協力者に関しては、共同研究者からもそれぞれ対象となる協力者の選定を依頼していく。 心理教育プログラムに関する取り組みとしては、メリデン版家族支援の研修会の受講や、イギリスでのきょうだい支援プログラムについての視察等を、それぞれ計画し具体化していく。メリデン版家族支援研修は、受講人数の制限もあるため今年度受講できない場合は次年度以降の受講を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は、実質的な調査を実施することができなかった。そのために、本来調査対象機関に対する謝礼やそこに出向く交通費等を使用することが無かった。また、データ入力や分析に係る人員への謝礼および、分析ソフト等必要な機器の購入も見送る形となってしまった。今年度は研究を進めていくうえで、計画的に予算執行を行っていきたい。家族・きょうだい支援の研修や、視察についても計画的に進めていくこととする。
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