研究課題/領域番号 |
18K10397
|
研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
丹 佳子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70326445)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 養護教諭 / 保健室 / 緊急度・重症度判断 / 臨床推論 / 論理的思考力 / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
本研究では、養護教諭の「論理的思考力の不足」と「振り返りが難しい環境」に着目し、学校救急処置の緊急度・重症度判断における養護教諭の困難感を軽減し自信を高めるための新たな養護教諭を対象とした研修プログラムを開発することを目的としている。 2021年度は、新型コロナウイルス感染症流行中でも実施可能な遠隔講義を含む研修プログラムを作成するとともに、研修プログラムの評価指標の検討を行った。さらに、完成した研修プログラムの有用性の検証を行うため、研修受講希望者に対して研修を実施し、質問紙による評価を行った。 研修プログラムにおいて使用する教材は、2016年に実施した「思考プロセス調査」により明らかになった「思考プロセス」の実態「6タイプの思考プロセス」をふまえたものである。研修の中で受講者自身が自分の思考プロセスのタイプを知ることで「思考プロセスの見える化」を試みる。また、可視化された「不十分な思考プロセス」を改善するための教材として、2018年に筆者が作成した教材「学校の救急場面で役立つ臨床推論モデルパターン」を用いた。 参加の意志を示した19名に対して事前学習課題と遠隔講義・参加者同士のディスカッションを含む研修を実施した。研修の効果および課題を明らかにするために無記名自記式質問紙を用いた調査を研修前(研修前調査)、研修終了直後(研修後調査)、研修終了3ヶ月後(3ヶ月後調査)に実施した。質問紙調査の主な内容は、基本的属性(研修前調査)、学校救急処置各プロセスの困難感の程度等(研修前・3ヶ月後調査)、批判的思考態度、知識修得度の自己評価等(研修前)、本研修への意見(研修後調査)である。 現在、質問紙への回答があった18名のデータを分析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、当初予定していたVR動画撮影や集合研修ができなくなった。予定を変更し、感染症流行中でも作成・実施できる新たな遠隔研修プログラムを作成し、実際に実施、評価を行っているため時間がかかっている..
|
今後の研究の推進方策 |
①研修参加者が回答した質問紙を分析し、研修プログラムの効果と課題を明らかにする。 ②研究成果について、学会発表を行うとともに論文を学会誌に投稿する。 ③明らかになった課題をふまえて研修プログラムの修正を行い、再度養護教諭を対象に研修を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、2021年度中に、研修を実施し効果や課題を明らかにする予定であったが、研修開催が遅れたため、研修プログラム評価(効果や課題の明確化)のためのデータ収集を終えることができず、データ分析には至らなかった。今後、データ分析を行い、学会発表や論文発表のために助成金を使用する他、評価をふまえて改善した教育プログラムを行うため、ノートパソコン等の機器を購入する予定である。
|