研究課題/領域番号 |
18K10399
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
木戸 久美子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (40269080)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 産後うつ病 / 男性 / 仕事のストレス / 人間関係 / 経済的不安 / 発達特性 / 発症率 / オッズ比 |
研究実績の概要 |
2019年度は、妊娠後期から産後6か月ごろの妻(パートナー)をもつ男性の抑うつの発症についてエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いて縦断的に調査を行った。また、抑うつの程度に関連する要因として、仕事や経済状況、また男性側の発達特性が影響する項目として、妻(パートナー)との関係性について検討した。EPDSのカットオフ値は、海外の男性における産後うつ病調査を参考に、≧13で抑うつ傾向があると判断した。本調査は、マクロミル社によるWeb調査で、日本国内全域を対象とした。妊娠後半期の妻(パートナー)をもつ男性のEPDS≧13は、494人中 103人(20.6%, 95% confidence interval (CI) 17.2-24.5%)であった。妻(パートナー)の産後1か月時点では、EPDS≧13は、100人中31人(31.0%,95%CI 22.1-41.0%)、2か月時点では、EPDS≧13は、131人中27人(20.6%,95%CI 14.0-28.6%)、3か月時点では、EPDS値≧13は、50人中20人(40.0%,95%CI 26.4-54.8%)、4か月時点では、EPDS≧13は、131人中45人(34.4%,95%CI 26.3-43.1%)、5か月時点では、EPDS≧13は、132人中24人(18.2%,95%CI 12.0-25.8%)、6か月時点では、EPDS≧13は、51人中13人(25.5%,95%CI 14.3-39.6%)だった。またパーt-ナーが初産の場合よりも経産(すでに子どもがいる場合)のときに抑うつ傾向は強く、また経済的に不安があると抑うつ傾向は高かった。仕事との関連では、仕事のストレスと抑うつとの関連が認められた。また、パートナーとの関係性が悪い場合に抑うつ傾向は高いことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、妊娠後期から産後6か月ごろの妻(パートナー)をもつ男性の抑うつの発症状況をエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いて縦断的に調査を行った。予定通りの調査が実施できたので、2020年度中に産後1年ごろになる妻(パートナー)をもつ男性の抑うつの程度を調査できる予定である。2019年度は、男性側の発達特性が反映される項目として、職場や妻(パートナー)との人間関係と抑うつとの関連を量的研究を通して検討してきた。2019~2020年度の調査は、量的研究を主体とした調査を予定しており、ほぼ順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度中に昨年度からの調査を引き続き行う予定にしている。昨年度までに産後6か月ごろまでの妻(パートナー)をもつ男性の抑うつ傾向を量的研究をとおして明らかにできた。男性側の発達特性を反映する項目として、仕事や人間関係に着目し、分析をすすめていく予定である。2020年度は、昨年から引き続き産後1年ごろになる妻(パートナー)をもつ男性の抑うつの程度とそれに関連する要因検討に必要なデータを収集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染拡大により、予定していた学会参加ができなったことで旅費等の支出がなくなったため。
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