研究実績の概要 |
目的:女性の母親役割獲得過程への看護援助を検討するために、「母親となる自己の再成」を指標に、妊娠後期から産褥期における心理的対処の状況と影響要因との関連を明らかにする。対象:ローリスク初産婦30名、方法:3つの測定尺度(Stress Coping Inventory,Japanese Prenatal Self-Evaluation Questionnaire,対児感情評定尺度)による質問紙調査と面接調査(妊娠後期2回と産褥期2回)を行う。分析:面接データを質的記述的に分析し、妊娠期における対処状況と産褥期の対処状況の関連や影響要因を抽出する。質問紙データは、対処結果における意味合いを導く指標として統計的に分析する。結果:妊婦の対処特性は、先行研究同様、対決型と責任受容型が低い傾向を示した。自己の母親像は、「やさしい母親」等の理想型から自己の性格特性を踏まえた現実型まで様々であった。「出産後でないとわからない」との回答は共通していた。しかし、それは予想と現実は異なるとの意味合いが含まれていることが推測された。産後の面接からこの意味合いについて確認できると考える。データ収集中であり、対象数の確保に難儀している。そのため、データ収集方法を再検討した。妊娠期及び産褥期2回の面接を各1回とし、面接ガイドラインを実情にあわせ修正する。さらに、「出産後でないとわからない」の意味合いが抽出できるよう質問項目を検討する予定である。
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