研究課題/領域番号 |
18K10403
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高島 えり子 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (10431735)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 更年期女性 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
【目的】 「更年期女性の睡眠を促進する包括的な健康プログラム」を開発し、その効果を検証することである。 【実施状況】 「更年期女性の睡眠を促進する包括的な健康プログラム」の短期的効果を評価した。20名の対象者へプログラムを提供し、4週間後の①更年期症状、②睡眠状態、③睡眠に対する認知の変容に対し定量的に前後評価、ヘルスリテラシー、ストレス軽減、QOL改善について定性的評価を行ったところ、以下のことが明らかになった。更年期症状の定量的分析評価では、介入後SMI合計得点と、1か月間の睡眠の質を問うPSQI-J得点は介入後有意な低下を示した。睡眠に対する認知の変容では、PSQI-J得点が6点以上の高得点群で、DBAS-J合計得点が介入後に低い傾向が認められた。しかしながら、主観的・客観的睡眠評価では睡眠時間の有意な増加、中途覚醒回数・時間の有意低下は認められず、介入期間や個別の介入方法に課題が残った。介入後の定性的分析では、ヘルスリテラシー力の向上が認められた。また、各事例の分析では、プログラムの経過において特徴的な4経過、「認知の修正と健康行動の継続により、症状が改善したケース」「認知や行動が変化したが、症状の変化はないケース」「症状に困っておらず、行動が変化しないケース」「ニーズはあるが改善には至らなかったケース」が抽出された。症状の自覚が強く、睡眠に対し誤った思い込みを持つケースでは、認知の修正と専門職の強化により、健康行動が継続され症状の改善認められ、本プログラムが妥当であることが示された。以上より、プログラムの短期的効果と対象の特徴が確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発したプログラム修正の必要性が示されており、かつ、プログラム介入を開始したが、長期的効果の検証までいたっていない。
|
今後の研究の推進方策 |
開発したプログラムの修正とその検証、介入後の長期的効果の確認を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究介入開始時期が予定より遅れ、予定対象60名の内20名の実施になったため、予定していた使用金額に至らなかった。次年度は介入人数を増やし、研究成果の発表と論文作成を行っていく。
|