研究課題/領域番号 |
18K10410
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
眞野 祥子 摂南大学, 看護学部, 教授 (90347625)
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研究分担者 |
川上 あずさ 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00434960)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 注意欠如・多動症 / 愛着 / マターナルアタッチメント |
研究実績の概要 |
筆者の先行研究から、注意欠如・多動症(以下、ADHD)児の母親の養育態度は、ADHD児に特徴的な行動(多動/衝動)が子どもに対する愛着感を減少させ、その結果、厳しすぎる養育態度となることが示唆されている。そこで本研究は、ADHD児の母親の愛着(マターナルアタッチメント)との関連要因として、子どもの行動特徴に焦点をあてた。 子どもの行動特徴は、不注意、多動/衝動、反抗挑戦性障害、素行症の側面が把握できる質問紙、マターナルアタッチメントは筆者が作成したADHD児の母親に特化したマターナルアタッチメント質問紙を使用した。研究協力者から紹介を受けた被検者に対して文書を用いて研究概要、倫理的配慮等を説明し、アンケート回答への任意の協力をお願いした。同時に、比較対照群としてADHD群と同数のデータ収集をを目指して、定型発達児の母親にもアンケート協力を依頼した。回収できたデータの分布を確認したのち分析を試みた。 結果は、プレテストと同様に、子どもの行動特徴を測定する全ての質問紙において、ADHD群の方が定型発達群より有意に得点が高く、ADHD群の方が行動特徴が顕著であることが示された。マターナルアタッチメント尺度に関しては、ADHD群の方が定型発達群よりも得点が有意に低かった。定型発達児の母親の場合、素行症以外の子どもの行動特徴とマターナルアタッチメントとの関連性は示されなかった。一方、ADHD児の母親の場合、子どもの行動特徴(不注意、反抗挑戦性障害)とマターナルアタッチメント間で関連を認めた。また、両群とも、素行症の行動特徴に関しては直接的にマターナルアタッチメントに関連を示した。 成果の一部を第24回国際児童青年精神医学会で発表予定としていたが、学会開催時期が変更され参加することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は主にデータ収集に取り組んだ。当初から予定していた研究協力者からの協力は得られたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で新規フィールド開拓ができず、予定通り質問紙の配布が進まなかった。 成果の一部を、第24回国際児童青年精神医学会で発表するため演題を登録したが、新型コロナウイルス感染症の影響で12月に延期され、日程が合わず参加を取りやめた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新規にフィールド開拓しながらADHD児の母親、定型発達児の母親へ質問紙を配布しデータを収集する。また、学会で成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックのため参加予定にしていた国際学会、国内学会ともに参加を見送った。また、予定通りのデータ収集もできず、差額が生じた。
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