研究課題/領域番号 |
18K10415
|
研究機関 | 福岡女学院看護大学 |
研究代表者 |
渡辺 まゆみ 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (00728743)
|
研究分担者 |
益守 かづき 久留米大学, 医学部, 教授 (20238918)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 医療依存度の高い子ども / 医療依存度の高い子どもを養育している家族 / 小児訪問看護師 / 小児訪問看護師の役割 / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、医療依存度の高い子ども(以下障がい児)に対して、障がい児と家族のQOL向上のために、訪問看護師の育成に関する研修プログラム作成に向けての研究を進めた。 初年度は、子どもに対する訪問看護師の実態の調査として文献検討を行った。結果、訪問看護師側と家族側の訪問看護に対する考えの相違点が明らかになった。この文献検討から、訪問看護師5名と家族(母親)4名にインタビュー調査を行った。 訪問看護師へのインタビュー結果から、訪問看護師は、家族からの嬉しい言葉や嬉しさを感じ、家族との価値観の違いに戸惑いながらも訪問看護師としての看護観を構築していた。また、訪問看護を続けることにより、家族とパートナーシップを形成し、家族自ら対処できる能力を強化していた。次に、家族へのインタビュー結果は、家族は、療養生活の場である自宅に他者を入れたくないと葛藤を抱いていたが、相談相手などの必要性を感じること、専門職者の発言を聞く大切さを感じ、訪問看護師が来ることを肯定的に捉えることができるように変化していた。また、訪問看護師は、子どもに対し健康や成長発達への支援、家族に対し相談できる専門職など、様々な役割を持ち関わってたと認識していた。 これらの研究をもとに、研修プログラムに向けて、現在の訪問看護師の役割を明らかにしした。訪問看護師と家族のインタビューの結果から、役割遂行に必要とされている3つ(構造的役割・対人役割・役割過程)に分け、それぞれの役割のどの部分が現在遂行され、どの部分が役割を担っていないかを明らかにした。その結果、「対人役割」と「構造的役割」は0.88と強い正の相関が示されたが、「対人役割」と「役割過程」は0.28、「構造的役割」と「役割過程」は0.14とそれぞれ弱い正の相関が示された。結果より、看護師としての成長を認め、内省する教育の必要性が示唆された。
|