研究課題/領域番号 |
18K10420
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中込 さと子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10254484)
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研究分担者 |
浅野 浩子 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00794380)
北村 千章 新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (20643795)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 染色体疾患 / プラダー・ウィリー症候群 / ダウン症候群 / 22q11.2欠失症候群 / 子育てガイド / 多様性 / サポートプログラム / セルフヘルプグループ |
研究実績の概要 |
本研究の2018年度の目標は、プラダー・ウィリー症候群、ダウン症候群、22q11.2欠失症候群をもつ当事者と親、きょうだいの協力を得て、子育てガイドを作成することである。 プラダー・ウィリー症候群については、NPO法人日本プラダー・ウィリー協会の<PWS手帳>(乳幼児版)の作成に研究代表者、中込と分担研究者の佐々木が協力させていただいた。内容は、PWS手帳を作成した目的、乳幼児期の成長、出生時と新生児期の記録、プラダ―・ウィリー症候群(PWS)の診断、お子さんの成長と思い出の記録、治療の記録、お子さんの成長を書き留めましょう、就学前相談、社会制度・福祉について、Q & Aとした。2019年6月当該協会にて会員に配布される予定であり、その使用者を対象に調査をする予定である。 ダウン症候群については、2015年時に公益財団法人日本ダウン症協会が作成された<+Happy しあわせのたね>という乳幼児期の子育てノート作成に協力した。本ノートが愛媛県が活用してくださることになり、内容の再調整を行った。予防接種歴については母子健康手帳への記載のみとし、本ノートから削除し、導入されるようになった。また、連携研究者の石橋が日本ダウン症協会山梨支部の「山梨ダウン症フォーラム」の企画運営に携わり、<第6回・大人になるということ>を開催した。親のみならず、保育士、教師、福祉関係者、保健師が170名が集まった。これまで子育て手帳として<摂食><コミュニケーション><からだづくり>について制作しており、親と専門家との協働の基盤を構築しつつある。 22q11.2欠失症候群については、主たる活動を北村が担当した。生活支援ガイドは、海外の専門家から助言をうけて完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画では今年は子育てのためのプログラムの作成であった。対象疾患となる3疾患について全て作成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
染色体疾患(プラダー・ウィリー症候群、ダウン症候群、22q11.2欠失症候群)をもつ子どもを育て始めた親に対し、<子育てガイド>を用いた介入と評価を行う。 2019年度からDiversity Support Programを開始する。実施者は、認定遺伝カウンセラー/看護師(中込・佐々木)と遺伝看護を学んだ看護師(石橋・浅野・北村)である。これまでの臨床経験と研究実績から石橋(研究協力者)がDSを担当し、佐々木(連携研究者)がPWS、北村(研究分担者)が22q11.2DSを担当する。 対象者には、主治医を通じて当該染色体疾患と診断され、遺伝カウンセリングを受けていることを確認したうえで依頼する。遺伝看護の立場で親子への介入を開始する。 <子育てガイド>を用いて個別または小集団の形でアプローチする。子どもの心身の発達評価、コミュニケーション、摂食、運動等の生活力の評価は、各対象者の主治医やかかりつけ医の評価を活用しつつ、研究者らがフィールドノートに記述していく。親の精神状態の評価は、精神科医であり臨床遺伝専門医である石黒の助言の元、研究者全員で実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理当 研究代表者(中込)が2019年1月1日付の異動があり、研究費使用が一時的に滞ったため、購入物を一部、翌年に繰り越した。研究計画自体は、予定通り進んでいる。 使用計画 2018年に繰り越した研究費は移動時に使用できるノートパソコンを購入する予定である。2019年の当初予算をもちいて、3領域の染色体疾患児の子育て支援策を実施し、その評価を行うために使用する予定である。
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