研究課題/領域番号 |
18K10423
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
川合 弘恭 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 助教 (10786156)
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研究分担者 |
松岡 真里 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30282461)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児慢性疾患 / AYA世代 / 自分らしさ / 自立支援 / 子ども |
研究実績の概要 |
2019年度は、近畿・関東・四国地方在住の小児期から慢性疾患をもつ18~39歳(AYA世代)の人を対象に「自分らしくある感覚」に関するアンケート調査を実施した。 調査用紙は175部配布し、35部の回答を得た(回収率20%)。対象者の属性に関して、年齢は10代4名、20代29名、30代2名であり、男性17名、女性18名であった。また、もっている病気は、腫瘍・がん・血液系疾患29名、心疾患3名、糖尿病・内分泌疾患2名であった。対象者が考える「自分らしくある感覚」について、自由記述によりデータを得た。得られたデータは内容分析を行った。 小児期から慢性疾患をもつAYA世代の人は、“自分の思うように物事が進んでいる”“自分のやりたいことができている”“体調が良い”“自分の気持ちを表現できる”“自分で選択できる”“こうありたいと思う自分でいられている”などの状態や状況を自分らしくあると考えていた。一方で、自由を感じられない、気持ちに余裕がない、自然体(ありのままの自分)でいられない、などの状態や状況は自分らしくいられていないと考えていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属機関での勤務負担が増え、研究に費やす時間が確保できず、データ収集と内容分析に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年5月末を目安に内容分析の結果より、「自分らしくある感覚」に関する質問紙を作成する。作成した質問紙を活用し、小児期から慢性疾患をもつAYA世代の人の自分らしくある感覚の実態を明らかにすることを目的としたアンケート調査を計画し、所属機関における倫理申請を行う予定である。また、この調査では対象者の身体状態や日常生活動作の状況、社会・経済状況等も問うことで、自分らしくある感覚とこれらとの関連について探索的に解析を行う。アンケート調査は2020年12月末終了を予定し、その後、データの分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行の遅れにより、当初予定していたインタビュー調査を行うことができなかったこと、そして、研究分担者との実施したアンケート調査の結果の分析や進捗状況の確認、今後の予定等の検討の多くはメール会議で行ったため、予定していた旅費を使用しなかったことが次年度使用額が生じた理由である。人件費に関しても、インタビュー調査ができなかったことが理由である。使用計画に関しては、次年度は自分らしくある感覚の実態と自分らしくある感覚と身体状態や日常生活動作の状況、社会・経済状況等との関連を明らかにすることを目的としたアンケート調査を実施する予定であり、研究対象者は1000名程度を考えている。他都道府県での研究協力依頼も必要であり、印刷費や郵送費、旅費として使用する予定である。また、研究分担者とデータ分析や研究の進捗状況の確認等の会議を予定しており、旅費としての使用を計画している。
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