研究課題/領域番号 |
18K10423
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
川合 弘恭 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 助教 (10786156)
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研究分担者 |
松岡 真里 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(臨床研究部(成育)、臨床研究部(循環器)), 看護部, その他 (30282461)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児期 / 慢性疾患 / AYA世代 / 自分らしさ / 自分らしくある感覚 / 自立支援 / 看護 |
研究実績の概要 |
2020年度は、2019年度に実施したアンケート調査によって得られたデータより、「(小児期から慢性疾患をもつAYA世代の人の)自分らしくある感覚」についての質問紙を作成した。この質問紙は、自分らしくある感覚をもつ状態や状況を示す[体調が良い][好きなことややりたいことができる][自分に正直である][どんな自分も自分であると思う][悩みや苦しみを分かち合える人がいる]等の22項目からなる。 当事者の方の「自分らしくいられているな」などの『自分らしくある感覚』に着目し、またその『自分らしくある感覚』の内包することを示したものは過去にはほとんどない。そのため、22項目から成った質問紙を活用することで、当事者の方が『自分らしくある感覚』を感じながら過ごされているか、この感覚に関連するものは何か、この感覚を感じながら過ごすための専門職のサポートは何か、などの新たな知見や示唆が得られることが期待できると考える。また、この質問紙が将来臨床の場等において、①当事者の方にとって、自分自身への気づきやふりかえりとなる、②専門職にとって、当事者の方が抱く感覚を共有しながら、当事者の方を主体としたサポートの指針や方法を当事者の方と一緒に見出す、ことにも活用できるのではないかと考えている。 今後はこの質問紙を実際に使用し、当事者の方たちの『自分らしくある感覚』の実態とこの感覚と生活状況との関連を調査する研究の実施を予定する。同時に、作成した質問紙が適切なものであるかを吟味する。そして、この質問紙の具体的な活用方法の検討等、小児期から慢性疾患をもつ子どもや人が自分らしくある感覚を抱きながらより良く過ごすことが実際に実現されるような具体的な取り組みを考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属機関での勤務負担が増え、研究に費やす時間が確保できず、質問紙作成に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年4月から、『小児期から慢性疾患をもつAYA世代の人の「自分らしくある感覚」に関する実態調査』を研究題目として質問紙調査を行う。この調査では研究対象者の「自分らしくある感覚」の実態のみならず、生活状況も問うことで、「自分らしくある感覚」と生活状況との関連について探索的に解析を行う。2021年12月末を目安にデータ収集を行い、その後データ分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響もあり、研究分担者と実施した質問紙作成、今後の予定等の検討の多くはメールやビデオ会議で行ったため、予定していた旅費を使用しなかったことが次年度使用額が生じた理由である。また、当初は今年度中に質問紙調査を行う予定であったが、実施することができなかったため、研究書類の印刷費や郵送費を使用しなかったことも理由である。 次年度は質問紙を行い、研究対象者は800名程度を考えている。他都道府県での研究協力依頼も必要であり、印刷費や郵送費、COVID-19の状況にもよるが、旅費として使用する予定である。また、研究分担者とデータ分析や研究の進捗状況の確認等の会議は主にメールやビデオ会議を予定しているが、可能ならば対面での会議も行いたく、旅費としての使用を計画している。
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