研究課題/領域番号 |
18K10425
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中尾 優子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40325725)
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研究分担者 |
大脇 哲洋 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50322318)
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
山本 直子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10594864)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超音波画像 / 乳房マッサージ / マッサージ評価 / 産褥 / 母乳 |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナ禍の中、3名の方のみに時系列で(3日間継続)超音波撮像を行った。 一昨年行った縦断的解析において、産褥2日目、3日目、4日目と日を追うごとに、乳腺幅の拡大と乳房マッサージ前後の間質(周囲間質と浮腫状間質)を示す高エコー、低エコー像の区分が細かくやや鮮明に捉えられていることがわかったため、新たに撮像された画像を照らし合わせた。傾向としては、画像の解析としては同じ内容のものが捉えられた。うっ積画像は、依然として不明瞭であるため、症例数の蓄積は必要である。また、マッサージ前より、後方境界線が鮮明に見えるようになったため、専門家に画像の見解について意見をもらい、乳腺の厚みや内容物の変化により深部まで超音波が届きやすくなったためではないかとの意見で一致した。マッサージしない方の乳腺幅は有意に増加しており、この新しい知見においては、血流の増加が見込まれたものと考えられるがカラードプラ法の試みは、今回できていない為、今後考えていく。 評価表の作成のために、部分で見ていかないといけないものと総合評価で見ていくものの評価項目があり、評価内容については、大筋整ってきたが、助産師からも意見を聴取していく。 今年度は、超音波画像と母乳のキーワードで、海外の文献検索と文献検討を行った。海外論文の執筆に向け、準備中であり、画像の解析の信ぴょう性を高めるために、画像の解析に問題がないか、専門家からの助言をもらっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
データの蓄積は再開したが、コロナ禍の為、研究者及び研究補助者の対象者との接触時期の制限があり、十分にはできなかった。研究者も日常の業務がコロナの影響により、増し、時間的余裕もなかった。 非常勤雇用により、解析や論文執筆のための論文検索は取りまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
専門家より、カラードプラ法による血液量の変化(増減)を視覚的に確認できるかもしれないとのアドヴァイスがあり、今後のデータ収集では、その点も配慮していくが、今回は、計画内容で進めていき、まずは明らかになったことをひとつひとつ発表していく。 データにおいては、研究の妥当性、信頼性を追求する上でも、測定に誤りはないか、解析を行う上で、専門家からの測定評価を適宜行っていき、データの精製に努める。 今年度は、海外の文献収集の準備もできたため、過去の論文と照らし合わせ、乳腺幅の相違に関しては、早めに論文発表を行っていく。横断研究における統計上の症例数は集まっているため、その発表を行いつつ、縦断調査を今後、再開し、統計上の症例数が集まったところで、終了とする。 データの測定は、拡大画像での勉強会で測定方法を統一し、測定者のスキルを高めた上で、効率良く行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による業務増大と感染予防のため、予定のデータ収集が十分にできず、データに関する経費(謝礼、データ測定の雇用費)などが少額となった。また、情報収集や専門家からの助言を得るための交通費、学会参加はオンデマンドがほとんどであったため、旅費の使用がなかった。今後は、横断研究によるデータを取りまとめ、英文雑誌に発表を行っていく。研究の精度を高めるために、測定技術のある専門家を雇用し、測定されたものを再度、確認し、統計処理も再度行い、論文投稿を行う。英文校正を行うための費用が必要となる。 学会参加や超音波の専門家との行き来ができる場合は、対面し、助言をもらう。解析に必要な新しい図書や文献の収集を引き続き行っていく。
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