研究課題/領域番号 |
18K10428
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研究機関 | 医療創生大学 |
研究代表者 |
古谷 佳由理 医療創生大学, 国際看護学部, 教授 (90222877)
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研究分担者 |
小澤 典子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20821408)
平賀 紀子 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター), 小児医療研究部門, 研究員 (40827581)
福島 敬 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30323299)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ヘルスリテラシー / 小児慢性疾患患者 / 自立促進 / 自立 |
研究実績の概要 |
小児期発症の疾患をもつ患者の多くが成人期を迎えるようになった現在、移行期における重要な支援が、子どもの自立支援である。ヘルスリテラシー(以下、HL)に見合った関わり、またHLの獲得を促進する関わりが必要であると考え、今回、支援の一助を得るため、小児慢性疾患患者のHLの実態と保護者が子どものHLをどのようにとらえているのかを明らかにするために質問紙調査を実施している。 A県の2施設の小児科外来に通院する10歳以上の慢性疾患患者とその保護者を対象として、質問紙調査を依頼した。慢性疾患患者への質問紙の内容は、移行準備状況チェックリストを参考に作成した質問項目、対象者のHL、対象者の属性である。対象者のHLは、HLS-14を用い5段階リッカート方式で回答を求め、得点が高いほどHLが高いことを表している。保護者に対しては、慢性疾患患者と同じ内容に「あなたの子どもは」という前置きをつけて問う形の問内容とした。 質問紙調査は新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け、予定を大幅に延長し2021年10月まで実施した。分析にはSPSS.ver27を用いている。記述統計、HLS-14 と関連する属性を検討するために差の検定および相関分析、また、親子の認識の相違を検討するために差の検定を行いつつ、2つの学術集会において成果発表を行った。 現在までの分析では、中学生以上の小児慢性疾患患者のHLにおいて、特に伝達的HLが低く、小児慢性疾患患者の移行期支援において指摘されている、保護者や医療者に依存的な医療が反映されている結果だと考えられた。患者自身が、医療者や周囲の人に意見を伝えられる機会を設け、獲得した情報を理解し、生活上に取り入れていくという過程を支援していくことが必要であると示唆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVI-19 の影響を受け以下のような状況にあり、研究に遅れが生じている。 ・外来での調査開始時期を研究者間、研修依頼施設と調整を行いながら、調査を開始したため、調査開始時期が当初の予定を大幅に遅れたため。 ・調査予定施設が3か所から2か所に縮小となったたため。 ・外来受診患者の人数制限や電話診療の導入により、外来受診患者が激減し、研究対象者への質問紙の配布に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
「小児慢性疾患患者の移行準備状況に関する質問紙調査」の結果を学術集会で発表予定 ある。 当初の計画では質問紙調査の結果を踏まえ介入プログラムを作成しつつ、介入を行い、介入前後の評価をしながら介入プログラムを洗練してく予定であったが、COVI-19 の影響を受け、今年度の対象者への介入研究を実施することが困難であると判断し、研究計画を変更するに至った。 質問紙調査の結果や先行研究をもとに、介入プログラムを研究メンバーで検討することは継続しつつ、慢性疾患を持ち成人移行をした患者および成人移行期支援を行っている医療者に対するインタビュー調査をオンラインにて実施したいと考えている。インタビュー内容は質問紙調査の結果を踏まえた上で、検討していく。 特に医療者に対しては、「成人移行期について―医療者が期待する準備状況―」についてもヒアリングを行い、当事者と保護者を対象とした質問紙調査結果から導き出された現状と医療者の期待を合わせて分析を行い、介入プログラム内容に反映させ、ヘルスリテラシー向上および自立促進の方策に繋げたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度も令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症蔓延防止措置により、外来受診者の抑制で調査対象者が減り、データ収集に時間を要したこと、学術集会が軒並みオンライン開催になったこと、海外渡航に制限が加わったことなどにより、当初の予算計画を大幅に変更せざるを得ない状況となったためである。 実施計画を1年延長し、学術集会への成果発表ならびに医療者に対しては、「成人移行期について―医療者が期待する準備状況―」についてヒアリングを行い、当事者と保護者を対象とした質問紙調査結果から導き出された現状と医療者の期待を合わせて分析を行う予定である。
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