研究課題/領域番号 |
18K10431
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
米山 雅子 (中林雅子) 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (10363847)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インフォームド・アセント / 小児がん / 看護介入モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、小児がんの子どもに行われるインフォームド・アセントの実態とその実態を踏まえた療養生活と健康管理行動の質向上に向けた小児がんの子どもに行われるインフォームド・アセントを得るための看護介入モデルの開発を目指すことを目的としている。2019年度は質問紙調査票の作成を、2018年度文献検討踏まえ試みたが、実態を把握しうる質問紙作成に向けては、小児がんの子どもへ行われる「アセント」の概念に基づくパラメーターの抽出が困難であったことから改めて検索データベースを拡大し文献を概観した。 検索データベース「Jstage」「medical online」「SiNii」「Google scholor」を追加し「小児」「インフォームド・アセント/コンセント」で検索し、重複を除く小児がんの子どもへのインフォームド・アセントに関する18件文献を対象に発達段階、インフォームド・アセントの実施時期、子どもの反応を分析した。 研究対象は、子ども(6件)、家族(7件)、親と子(1件)、医師(2件)、親と子・医療者(1件)、その他(1件)であった。対象としている子どもは、白血病、固形腫瘍の子どもで初発、再発を経験しており、発達段階は「幼児期」「学童・思春期」と多岐にわたっていたが、幼児期~学童期の子どもへの事例研究も行われていた。実施時期は陽子線や骨髄移植、髄注といった「治療開始時」(8件)、「病名告知・説明」(7件)、腰椎穿刺(1件)や「治療過程の全過程」(1件)を対象とした研究もあった。子どもの反応は、子どもの表情やしぐさ、行動や言動、子どもから理解の内容を説明してもらう、認識や意思表示に関する研究も行われていたが、年代ごとの子どもの反応をどのように確かめ評価しているかの評価指標については検討の余地あることが示唆され、これらの結果を踏まえた質問紙調査票案を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度質問紙調査に向けた小児がんの子どもにかかわる看護師を対象とし、質問紙調査に向けたインタビューの実施を予定していたが、「インフォームド・アセント」の概念に基づく小児がんの子どもへ行うインフォームド・アセントの実態調査に関するパラメーターの抽出が困難であったため、改めて、検索するデータベースを拡大し、原著に限らず広く文献を概観したことから、質問紙調査票の構成を検討することに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、小児がんの子どもに行われているインフォームド・アセントの実態を調査するための質問紙作成に向けて、2018年度に実施した、文献検討に加え文献収集に関するキーワードやデータベースを広げ、文献を収集し、外観の結果作成した質問紙調査票を用い、調査の実施につなげていく。 実施に向けては実際にかかわっている看護師からの意見を反映し質問紙調査票をより精選させ、実態を把握しうる調査につなげ、調査結果をもとにさらにモデル開発につなげていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献検索に時間を要したため、調査研究の実施に至らなかった。令和2年度内には全国調査ならびに、文献検索の成果発表で予算を執行していく予定である。
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