研究課題/領域番号 |
18K10431
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研究機関 | 湘南鎌倉医療大学 |
研究代表者 |
米山 雅子 (中林雅子) 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 准教授 (10363847)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小児がん / インフォームド・アセント / 看護介入モデル |
研究実績の概要 |
本年度は、小児がんの子どもに行われているインフォームド・アセント(以下IAとする)への看護の実態を明らかにすることを目的に、これまでの文献等の結果を踏まえ、作成した無記名QRコード読みとり式アンケートにて2021年9月~12月に実施した。 第1調査として、関東近郊の小児がん拠点病院に勤務する小児がんの子どもへのかかわり経験がある臨床経験5年目以上の看護師48名および、第2調査として、小児がん拠点病院15施設、小児がん診療施設として認定されている142施設並びに特定機能病院82施設で重複を除外した合計169施設のうち配布許可の得られた53施設(261名)の54施設、301名の看護師に協力を依頼し、総数166名(回収率53.7%)の看護師から得られた回答データを対象に解析・分析した。 [IAの実態]として、IAの教育を受けている45.2%、IAのガイドラインやマニュアルがあるは31.3%であり、IAへ「頻回にかかわる」は32・5%、「時々かかわる」は41.4%という結果であった。IA実施頻度の多い場面(27場面)として、回答全体の30%以上を占めた実施場面は5場面であった。IAへのかかわりの重要度の認識は高く、IAへの関わりの実施度も「いつもしている」「良くしている」と60%以上が回答する結果が示されていたが、かかわりの実施度をCS分析にて解析した結果、子どものIAを得る関わりのうち、改善を要する10項目も抽出された。 今回、IAに関する実施項目のうち、60%以上が「いつもしている」「よくしている」項目が40項目あり実践状況の実態が確認できた。その一方で、一方特にIA実施後の子どものサポートについては強化を要するかかわりが示されており、これらのかかわりを強化するケアモデルを構築する必要性があることが示された。今後小児がんの子どもに関わりへのガイドとしてのモデル案を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、アンケート調査実施ができ、回答結果を得ることができた。現在は回答結果を解析し、結果をもとにインフォームド・アセントに関する実態の詳細を分析しており、課題を明確にする取り組みを行っている。今後は得られた結果や課題をもとに、研究協力者とともに看護介入モデル案を作成していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、アンケート調査実施により回答結果を得ることができており、その結果結果をもとに解析し、インフォームド・アセントに関する実態の詳細を分析し、課題の明確化に取り組んでいる。今後は得られた結果や課題を根拠とし、研究協力者とともに看護介入モデル案を作成していく予定である。意見交換の機会を定期的に確保し、①骨子案の作成、②①に関する意見交換、③看護介入モデル(案)を作成し、④③に関する意見交換、修正を図る。意見交換には、研究協力者ならびに小児がんにかかわり経験知を有する臨床看護師の意見を得られるようにし、④看護介入モデル(案)の完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、アンケート調査を実施し回答データを得ることはできたが、解析については次年度も引き続き行い、成果をもとに看護介入モデルの構築を行う予定であり、解析に関する費用および、モデル案の構築、研究成果の発表、公表に向けた支出を見込んでいる。
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