研究課題/領域番号 |
18K10432
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
渡邊 由香 山梨県立大学, 看護学部, 助手 (30792030)
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研究分担者 |
名取 初美 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (10347370)
平田 良江 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (50326097)
萩原 結花 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (50381710)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 双胎 / 育児 / 自信 / 尺度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、育児期の双子の母親としての自信を測定する尺度を作成し、育児期の双子の母親としての自信の実態を明らかにすることである。 初年度は、育児期の双子の母親としての自信尺度の試作版を作成することを目的とした。育児期の双子の母親としての自信を測定する項目は、双子の母親としての自信や育児中に母親が感じる肯定的感情、双子と母親の愛着形成に関する質的研究の先行文献より検討を行った。さらに単胎の母親の育児期の自信や満足感に関する尺度の質問項目を参考に検討を行った。その結果抽出された項目について、表面妥当性および内容妥当性を検討し、最終的に質問項目は31項目となった。データ収集は、検討した31項目、および基準関連妥当性の検証のための「日本語版母親としての自信質問紙:J-MCQ」から構成した無記名自記式質問紙を作成し、郵送法により行った。研究の協力の得られた市区町村および双子育児サークルへ、無記名自記式質問用紙・研究対象候補者への依頼文・返信用封筒を同封した封筒の配布を依頼した。なお研究への同意は、研究対象候補者からの返送をもって研究への同意を得たとみなした。その結果335名に配布し173名より回答が得られたが、研究対象月齢外の母親や欠損値のあった31名を除外し、有効回答は142名となった。現在、統計解析用ソフトを使用し、得られたデータの統計解析を行い、質問項目の精選および因子の検討を行っている。この過程では、天井効果床効果を確認することで質問項目の精選を行い、複数の研究者間で検討することで、妥当性の確保を行う。さらに、主因子法・プロマックス回転法を用いた探索的因子分析を行い因子数を決定し、質問項目内容を検討した上で各因子を命名する。その後、クロンバックα係数およびI-T相関により信頼性の検証、基準関連妥当性の検証を行い、試作版を完成させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行文献の結果から、育児期の双子の母親としての自信が最も安定する期間を生後4か月から12か月ととらえ、その月齢の双子を育児している母親を研究対象としてデータ収集を行った。当初、研究協力機関として全国の双子の育児サークルを挙げていたが、対象月齢となる参加者が予定よりも少なく、サンプル数の確保が非常に困難な状況となった。そこで、乳児健診事業を行っている市区町村に調査協力を依頼し、研究協力機関の拡大およびデータ収集期間の延長を行うことでサンプル数の確保を行った。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に得たデータの分析を行い、尺度の試作版を完成させる。また今年度中に、分析結果を関連学会に発表し、専門家の意見を伺い、精度を高めるための研究につなげる準備を行う。その後、研究対象を拡大したデータ収集によりサンプル数を確保し、確認的因子分析を行うことで、育児期の双子の母親としての自信を構成する因子間の関係を明らかにし、尺度の精度を高めるための検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、統計コンサルタントのための費用を人件費・謝金として計上していたが、大学院研究費にて受けることが可能となったため、予算計画の変更を生じた。あまりのある分は今後、研究成果を発表する際の旅費や論文投稿費、および研究協力施設への研究成果の報告書作成などに使用する予定である。
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