研究課題/領域番号 |
18K10436
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
松森 直美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (20336845)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小児看護ケアモデル / 倫理的看護実践 / 小児看護現任教育 / 卒後教育 / 混合病棟 |
研究実績の概要 |
小児看護ケアモデルを活用し独自に考案した教育的介入プログラムを混合病棟や診療所等の多様な小児看護の場で働く看護職に対して実施した場合の倫理的看護実践の変化や改善効果は何か、臨床研修として応用する場合の課題は何かを明らかにすることを目的として実施した。 【方法】所属大学にて医療処置を受ける小児と家族への基本的な倫理的看護実践の具体例を示す24項目の小児看護ケアモデル(以下,PNCM)を活用したプログラムを小児科診療に携わる看護師を対象に行った。対象者は初回2時間の講座冒頭に受講前PNCM実施頻度Aを記入した。次いで医療処置の基本的な小児看護に関するミニレクチャー(約30分)の後に実践例B、PNCM実行可能性Cを記入した。2カ月後に研究者がA、Bの用紙を対象者に郵送し再度記入と返送を求めた。A~Cは介入且つデータとし分析した。さらに5か月後にAへの記入を求め、効果の継続性を検証した。 【結果】2018~2019年に計21名の参加者に対して実施した。初回のみの参加者6名(28.6%)、2か月後までの参加者3名(14.3%)、5か月後までの参加者12名(57.1%)であった。参加者の小児看護の経験年数は初回のみの参加者では1.3年、2か月後までの参加者は6.8年、5か月後までの参加者は5.9年で、小児看護の経験年数が浅い看護師の継続的な参加が今後の課題ということが明らかとなった。また、参加の動機として、院内で小児看護の研修がないことを挙げている参加者がいた。 PNCMの実施頻度は、初回に比べて5か月後には16項目に改善が見られた。 【今後の課題】 小児看護の経験の浅い看護師や混合病棟の看護師を含めて多様な看護の場で働く看護職への教育プログラムを引き続き実施する必要がある。また、2020年は新型コロナ感染症拡大によりプログラムの実施が困難であったため、今後はオンラインでの参加ができるようにプログラムを再構築する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.これまで実施した小児看護ケアモデルを活用した看護師への教育プログラムの効果が確認できている。継続的効果については5か月後までの効果が確認できた。 2.院内における研修会の要望や感染対策を講じた現地開催やオンラインでのプログラムの開発が今後の新たな課題として明らかとなった。 3.2019年までの成果を論文として誌上発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年と同様の教育的介入プログラムを小児医療に携わる幅広い対象者に実施し、感染症対策に配慮しながら、オンラインによるプログラムなど在宅や各職場でも参加可能な実行可能性の高いプログラムを開発する。 さらに、国内外における小児看護に関する基礎教育及び現任教育の現状についても情報収集し、我が国における小児看護に関する継続教育の在り方を検討したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大により予定していた学会の現地参加がWEB開催になり参加費・交通費の使用が不要となったこと、計画していたプログラムの開催を中止としたことなどによる。
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