研究課題/領域番号 |
18K10445
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古屋 悦世 北里大学, 看護学部, 助教 (00458754)
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研究分担者 |
小島 ひで子 北里大学, 看護学部, 教授 (50433719)
辻 佐恵子 北里大学, 看護学部, 講師 (70422889)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | きょうだい / 在宅重症児 / 医療的ケア |
研究実績の概要 |
当該年度は、医療的ケアのある在宅重症児および、学童期のきょうだいを養育している母親を対象にきょうだいをテーマとした療育者交流プログラムを実施した。2回参加のプログラム構成であるが、現時点では2回目のプログラム開催に至っていない。プログラムの目的は、母親にきょうだいについて気軽に話す場を提供することにより、きょうだいとの関係を客観視し、仲間づくりのきっかけをつくることである。COVID-19感染拡大状況を鑑み、当社は対面で予定していたプログラムをZoomを使用したオンラインプログラムとした。 1回目のプログラムについて報告する。参加者は3名(1グループ)であった。在宅重症児の年代は幼児後期2名、青年前期1名、きょうだいの年代は学童期3名、幼児1名、青年期2名であった。きょうだいの人数は1名から3名で、在宅重症児との年齢幅は平均4.16歳差であった。プログラム実施後のアンケート結果は、プログラム構成や内容について、肯定する評価が全項目の97.6%を占め、「改めて考えをまとめる機会になった」と参加意義に関する意見があった。話し合いデータを分析した結果、3の〈カテゴリー〉と、7の『サブカテゴリ―』が抽出された。〈きょうだいの特徴〉である『きょうだいとしての強みと悩み』、『親への承認欲求』、『親からの期待と圧力』についての思いが話され、『親とは異なる関係性と絆』が構築されていることへの気づきがあった。そこから、〈親の思い〉として、『親としての葛藤』と、『状況に合わせたきょうだいへの配慮』への難しさを共有していた。〈交流の意義〉として、『同じ経験をもつ仲間がいる心強さ』について語られていた。このことから、養育者交流プログラムは養育者同士が思いを共有する場となり、きょうだいとの関わりを客観視し、仲間がいることを支えにできる場となっていたとことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究目的は在宅重症児の養育者を対象に、きょうだいをテーマにした養育者交流プログラムを2回実施し、その有用性を評価することであった。対象者を募集し、1回目のプログラムを実施したが、2回目のプログラム実施に至らず、対象者の再募集が必要な状況である。COVID-19の感染拡大によりオンラインプログラムに変更したが、リクルートが難しい状況にあった。今後は研究倫理委員会に期間延長の手続きをおこない、対象者の再募集をおこなっていく予定にしており、当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者が中心となり定期的にメール会議を開催し、研究分担者ときょうだい支援実践者である研究協力者の意見を反映させ研究遂行を下記の通りにおこなっていく。 1)引き続き、養育者交流プログラムの実施と評価を行う。養育者交流プログラム実施にあたり、研究倫理審査の延長手続きをおこなう。(2021年6月)。1~2グループの対象者を再募集し、実践、評価する(2021年7月~2022年3月)。 2)学童期児童を対象にした在宅重症児 のきょうだい支援プログラム案の有用性を明らかにすることを目的とし、きょうだい児支援プログラムを1グループに実施する(開催予定時期:①2021年11月、②2021年12月、③2022年1月)。 COVID-19感染拡大状況を鑑み、Zoomを使用したオンラインプログラムとする。2121年6月までに研究計画を検討し、7月から対象者募集をおこなう。 3)最終年度にあたる2022年度は、年度前半にきょうだい児支援プログラムの評価をおこなう。その後、養育者ときょうだい児の介入プログラム有用性について研究者間で検討し 、両者を統合した在宅重症児のきょうだい支援プログラム構築を目指す。年度後半では、在宅重症児のきょうだい支援プログラムは、冊子の作成、Face Bookとホームページの立ち上げ、論文投稿により結果の公表と、研究成果の発信をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染への影響を考慮し、対面で計画していた療育者交流プログラムをオンラインでの開催に変更した。それに伴い、当初予定していた交流会を実施する際の経費や、きょうだい児支援プログラムへの視察に関わる旅費が計上されずに次年度使用額となった。 次年度も引き続き、COVID-19の感染状況を考慮し、オンラインでのプログラム開催の予定としているが、感染状況に応じて、対面での開催やきょうだい児支援プログラムの視察等を再開していく予定としている。 評価の際に使用するSPSSVol.27、研究分析専用PCの購入を予定している。
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