本研究から、第1子に障がいがあり第2子を出産した親は、第1子出産前から第2子を希望していること、妊娠前および妊娠中において、すでにきょうだいがいる家族から第2子のいる生活についてポジティブな印象を受けて、第2子を迎えることをイメージしていたことが明らかになった。一方で、第2子の妊娠前から第2子の障がいの有無への不安や葛藤を感じていた。妊娠前および妊娠中から出産後においても、共感できる仲間の存在が大きな支えになっており、その方たちとの出会いや交流が、育児や家族計画においても重要な役割を担っていた。以上の結果から、第1子に障がいがある母親を対象にした第2子妊娠・出産に向けて、次子を迎えることへの不安や葛藤を軽減することを目標とした支援プログラムの開発を行った。前年度、所属の倫理審査委員会にて承認を得て、すでに次子を養育している先輩母親を交えた交流相談会としてプログラムを実施。コロナ禍のため開催方法を再検討し、双方向遠隔システムであるzoomにて開催した。 支援プログラムとしての効果を評価するため、参加中の語りと参加後の自由記載をデータとして、交流会への参加が母親にどのような意義をもたらしたかについて分析を行った。結果、交流相談会が第1子に障がいのある児の親が2児の親になることを考える機会として、意義があったことが明らかになった。本年度、国際学会にて「Supporting Parents Whose First Children Have Disabilities Become Parents to Two Children : The Significance of Holding Exchange and Consultation Sessions with Senior Mothers (*mothers with experience*)」として研究発表した。
|