近年、インスリンポンプ療法(CSII)が普及し、インスリンポンプを装着しながら日常生活や幼稚園・学校生活を送る1型糖尿病の子どもが増加している。インスリンポンプ療法中の学童の学校生活の実態や課題については明らかにされつつあるが、幼児期の子どもに対する就学に向けての看護支援については明らかになっていない。 本研究の目的は、インスリンポンプ療法中の1型糖尿病をもつ幼児の日常生活や就学に向けての課題を明らかにすることであり、まず、前年度までにインスリンポンプ療法を行っている幼児期の子どもをもつ母親にインタビューを実施した。その結果、子どもが血糖測定やボーラス注入などを気兼ねなく行えることや、幼稚園で可能だったことが学校で制限されないように、親が学校関係者とうまく連携できる支援が必要であることが明らかとなった。 そこで今年度は、小児糖尿病キャンプの参加者でインスリンポンプ療法を実施している学童の学校関係者(担任あるいは養護教諭)を対象とし、小児糖尿病キャンプにてワークショップを開催し、インスリンポンプ療法中の子どもが入学する際、不安に感じていたことや、子どもや保護者に対して実施した対応方法などを明らかにする予定であった。 しかしながら、COVID-19の全国的な感染拡大の状況により、今年度の小児糖尿病キャンプの開催は中止となったため、学校関係者を対象としたワークショップの開催ができず、研究は滞ったまま中止せざるを得なくなった。
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