研究課題/領域番号 |
18K10450
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
那須野 順子 駒沢女子大学, 看護学部, 講師 (20513211)
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研究分担者 |
高山 奈美 駒沢女子大学, 看護学部, 講師 (00459132)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 授乳状況 / 疲労度 / 自律神経機能 |
研究実績の概要 |
本研究は、産褥期にある母親の自律神経機能の疲労度解析による授乳支援プログラムの開発を目的とし、以下の3つの研究で構成している。研究Ⅰ:産後早期の母親の疲労度と母乳分泌量の関連を明らかにする。研究Ⅱ:産後早期の疲労度に合わせた授乳支援プログラムの作成を行う。研究Ⅲ:自律神経機能の疲労度解析による授乳支援プログラム介入を実施し、産褥早期の母親の疲労の視点から授乳支援プログラムの評価をする。 当該年度は昨年に引き続き、新型コロナウィルス感染症により病院施設での調査実施の中断が継続された。これまでの本調査では、昼夜問わず行われている授乳の影響は産褥期にある母親の疲労を増大させている可能性があった。本調査実施の中断が余儀なくされているコロナ禍における妊娠では、妊婦は母乳と育児についての不安が高く、産後うつ病のリスクが高くなっていた(宮城ら,2021)。また、自分が感染することの不安に加え、医療機関での母親学級中止や外出制限により親の援助を受けにくいなど、不安や憂鬱な気分を増大させていた(山口ら,2021)。さらに分娩の立会いや面会の中止も重なり、分娩・産褥期においても心理的に及ぼす影響は大きい。これらの状況は、産褥早期の授乳による睡眠不足以外にも、疲労度を感じさせる要因(山崎ら,2021)としての身体的ストレス状態、精神的ストレス状態に負荷をかけていることが予測され、母親の疲労度を増大させていることが考えられる。産褥早期は授乳に関するホルモン量が大きく変動し、痛みや不安・ストレスを強く感じるような環境下では、結果的に母乳分泌に負の影響を及ぼす。コロナ禍を経た状況を考慮したうえで、母親の状況に応じた個別性の高い授乳支援を行うためにも、産後の疲労を可視化し、心身ともにリラックスした授乳方法の支援とともに身体症状の緩和を兼ねた授乳支援についての検討を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症が終息に至らないことにより、内諾を得ている各病院施設での調査実施見込みが立たない状況が続いていたため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症が5類に変更となり、病院での立ち会い分娩や面会制限等が解除されるようになった場合、予定施設での調査実施を再開するための準備を行っている。実施時期は調整中だが、実施に向けて引き続き、準備を整えるとともに研究Ⅱの準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、病院施設での調査実施の中断が継続したため、機器のレンタルの実施に至らなかった。 (使用計画)施設による調査実施再開の見通しが立ったため、調査のための機器の購入を行う予定。
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