研究課題/領域番号 |
18K10451
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
小出 扶美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20236524)
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研究分担者 |
宮谷 恵 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00267874)
山本 智子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (70516715)
鈴木 恵理子 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (20249246) [辞退]
市江 和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00279994)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児 / 採血 / 点滴 / 処置 / 検査 / 家族参加 |
研究実績の概要 |
作成する「子どもの痛みを伴う処置時の家族参加のガイドライン」は、実施する頻度が高い採血や点滴などの処置を家族も同席して行う場合のガイドラインとした。今までの調査結果の記述部分の再分析を行い、ガイドラインの構成を検討した。その結果、ガイドラインの構成は、①採血や点滴などの痛みを伴う処置時の家族参加について(目的、参加することによる利点と問題点)、②家族が参加するかどうかを判断するための基準、③家族が参加をして行う場合の子どもと家族に向けた説明、④家族参加中に起こるリスクがある問題と対応策、⑤施設で家族参加を導入していく場合の課題の5項目とした。家族が処置に参加をすることが子どもと家族、医療者にとって最善の利益となることを目標にして、上記の項目②と③について検討を行い、2022年度は処置を安全な実施に向けて家族参加中に起こるリスクがある問題点とその対応策について検討した。また痛みを伴う処置時の家族参加の導入に向けて取り組む必要がある課題について抽出した。 家族の参加中に起こるリスクがある子ども側の問題点には、家族がそばにいることで甘え、助けを求めるなどして「処置を受けることに抵抗する」がある。その対応策として親子で話し合う時間の確保や家族参加を継続するかどうかの選択をあげた。家族側の問題点には「処置を妨げる言動」や「家族の動揺」があり、その対応策として、家族が自分の役割を再認識できるような声かけ、家族の様子を常に観察し動揺が大きい場合は退出をすすめるなどの対応策をあげた。施設が新たに家族参加を導入していく場合取り組むべき課題には、「家族参加で行うことに対して処置の施行者から理解と協力を得ること」、「家族参加で行うことのプレッシャーを施行者が克服すること」、「家族が子どもの応援係としての役割を果たすことができるようにマンパワーを確保すること」、「処置時の安全性の確保」などをあげた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度も新型コロナ肺炎の感染状況の影響を受け、新たな調査ができなかった。そのため、これまでの実態調査で痛みを伴う処置時の家族参加の現状について述べている自由記載のデータと2020年度に実施したインタビューのデータを継続して分析を行った。その結果をふまえ、採血や点滴などの痛みを伴う処置時に家族参加で行う場合のガイドラインの構成を検討し、ガイドラインに掲載する項目と内容の具体化を試みた。しかし、ガイドライン内容の妥当性までは確認できず、完成には到らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
採血や点滴などの痛みを伴う処置時に家族参加で行う場合のガイドラインの構成及び内容について検討できた。その内容の妥当性を確認するため、再度家族参加を実施している病院の看護職者に協力を得ていく。また、ガイドラインの内容と具体化が十分でない問題の対応策についてもアドバイスを得て、完成させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度の学会はオンラインで参加をしたため、旅費が発生しなかった。また、新型コロナ肺炎の感染拡大により、新たな調査協力が得られず、調査のための旅費や謝礼も発生しなかった。今までの調査結果を再度分析することで、ガイドラインに必要なの構成と内容は抽出できたので、2023年度は家族参加を実施している施設で働く看護職者に「小児の痛みを伴う処置時のガイドライン(案)」の確認を依頼をし、専門的なアドバイスを得て内容の充実を図り、完成させていく予定である。そのための謝礼と作成したガイドラインの製本費用としての使用を計画している。
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