研究課題/領域番号 |
18K10456
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研究機関 | 東京家政大学短期大学部 |
研究代表者 |
及川 郁子 東京家政大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (90185174)
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研究分担者 |
川口 千鶴 順天堂大学, 保健看護学部, 客員教授 (30119375) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小児看護 / 保育施設 / 健康支援 / 学習プログラム / キャリアデザイン / 学習ガイドブック |
研究実績の概要 |
本研究は、保育所等で働く看護職が、保育職とともに子どもの健康支援者となるために必要な能力を向上させるための学習プログラムを開発し、看護基礎教育終了後の教育システムのあり方について検討することを目的としている。 1年目に実施した文献検討、実態調査、グループインタビュー調査などから、2年目に学習プログラムに必要な要素を抽出し、学習プログラムの枠組みの検討、および具体的な学習プログラム内容の検討を行い、3年目に学習プログラムの完成を目指し進めてきた。 作成した学習プログラムは、①子どもの健康を支援する力、②子どもの権利を擁護する力、③組織の役割を遂行する力、④自己教育・研鑽する力、の4つの構成要素を軸に、新任(レベルⅠ)、中堅(レベルⅡ)、ベテラン(レベルⅢ)の3段階のレベル別に分け、それぞれのレベル目標、行動目標、学習内容と学習方法、実践能力の評価、および学習のための参考資料などを検討した。しかし、実際の活用データ等を得ることができず、研究を延長して進めた。 2021年度は、学習プログラムをもとに、レベルⅠおよびレベルⅡの看護職を対象に研修会を開催し、学習内容や学習方法の検討、研修会の効果・影響など活用事例の検討を行った。また、保育所看護職として経験のある有識者から、学習ガイドブックの内容について助言を得た。これらの結果を踏まえ、「保育所等で働く看護職の看護実践~キャリア形成に向けた学習ガイドブック(以下、「学習ガイドブック」と略す)」を作成し、冊子体として印刷して保育所等で働く看護職に配布した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は予定していた学習ガイドブックを完成させ、保育所等で働く看護職に広く広報することができた。
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今後の研究の推進方策 |
学習ガイドブックではレベル別の学習内容ごとに学習方法が明示され、自己学習、職場内訓練(OJT)、研修会などを活用しながら学習を進めるようになっている。本研究の目的である学習プロブラムの開発や継続教育の支援について検討することができたが、今後は、学習ガイドブックを活用しての学習の推進や定着など、研修会などの介入を含めた評価研究を行い、健康支援者としての能力の向上を図ることが必要となってくる。 2022年度は、その足掛かりとなる経験年数別の学習到達度調査を行い、学習に影響を及ぼす要因やその実態を明らかにし、次への研究に繋げていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に学習ガイドブックを作成することができたが、その評価が必要となってくる。次年度は、評価のための基礎研究として、学習プログラムで作成したレベル別学習到達度とその影響要因について探ること、また学習ガイドブック活用に向けた意見を広く収集するため、学会等のテーマセッションを予定している。そのための費用として、調査・統計分析にかかる費用、意見聴取のための学会参加や交通費等に使用予定である。
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