研究課題/領域番号 |
18K10459
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大久保 功子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20194102)
|
研究分担者 |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (20285448)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | NICU / 熟練看護師 / 早産児 / 日常生活援助 / 質的研究 / 量的研究 / ミックスメソッド |
研究実績の概要 |
熟練看護師の技の解明に挑戦するために、早産児への看護行為と、それに対する早産児の反応に焦点をあて、文献検討を行った。国外文献がPubMedで158 件,CINAHLで23 件,国内文献が医学中央雑誌 で44 件、計 225 件抽出された。そこから、まず重複文献 14件を除外し,レビュー文献 12 件,概念分析 1 件,プロトコル 1 件,専門家の解説や事例報告等の資料 24 件を除外した。さらにタイトルおよび抄録から,早産児への看護行為とそれに対する早産児の反応を対象にしていない文献 158 件を除外した。最終的に、国外文献 13 件,国内文献 2 件の計 15 件を分析対象とした。2020年4月に日本新生児看護学会誌に投稿し、査読を経て2021年5月刊行予定の同誌に採用となった。 質的研究に関しては、早産児の生活援助技術に優れているとしてNICUの看護師から推薦された研究参加者13名のインタビューデータをもとに、KJ法を参考に分析を進めてきている。分析途中で看護師4名に行ったインタビューから得られた結果を、第39回日本看護科学学会学術集会で発表した。早産児の日常生活援助に優れた看護師は、子どもにとって最も優先すべきことは睡眠であると考えていた。また、日常生活援助も子どもにとっては侵襲であると考えており、これまで培ってきた経験や、自分がケアを行った時の印象を次のケアに活かすようにしていたという結果が得られた。さらに9名のインタビューデータを収集しと分析を行ってバージョンアップしたものを、第40回日本看護科学学会学術集会において発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者の所属施設および研究協力施設の倫理委員会の承認を得て、2019年にビデオ撮影によるデータ収集を開始した。新型コロナウイルスの影響により2020年3月からデータ収集を中断した。緊急事態宣言の解除に伴い、同年6月に再開し、同年9月までに目標としていたサンプル数を得た。現在は、質的研究、量的研究ともデータ収集はおおむね終了しており、次年度中に分析を行い、論文の完成を目指している。しかし、新型コロナウイルスの影響により研究の中断を余儀なくされた影響もあり、進捗状況には遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
量的研究については、画像データを持ち出すことができないため、乳児と看護師の介入を撮影したフィールドに通い、データの分析と考察を進めている。 新型コロナウイルス感染症が収まり次第、データ分析の信頼性確保のため、画像の分析をもう一人の研究者が行いたいと考えている。今年度内に実現できるか、微妙なことろである。信頼性の確保が難しくても、先の質的研究との混合研究デザインを用いて分析および考察を進めており、2021年3月末までの論文完成を目指している。その後、しかるべき学会誌に投稿を予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの流行によって研究活動に制約を受けたたため。 新型コロナの流行によって滞っていたデータ収集並び分析を行い、看護科学学会で発表する予定である。さらに、論文化して投稿する予定である。海外での発表を予定していたため、旅費を確保していただが、分析にかかる人件費や、海外の学術雑誌への投稿に向けた英文校正、PCを用いた通信環境の確保などに用途を変更する予定である。 研究をもとに、教育プログラムを開発することに関してはさらに時間が必要となったため、計画を変更せざるをえない状況である。
|