最終年度は収集したデータの統計学的分析を行った。量的研究では、基準に適合した10人の新生児の64場面のデータを収集した。うち、体位変換と授乳のみの介入55場面を分析対象とした。ナースデモグラフィックデータで両群に差がないよう、第3者によってマッチングを行い、最終的に熟練群15コントロール群18場面を分析に用いた。その結果、熟練群は、ストレスに対する児の反応である四肢の弛緩と吸啜の発生頻度が少ない傾向が認められた。 質的研究には看護師13名が参加した。KJ法を用いて分析し、[過去と将来の出来事の中で現在のケアを位置づける]、[非侵襲的な看護ケアを提供する]、[さらなる卓越性を目指して反省を踏まえてケアを改善する]の 3 つのグループが明らかになった。 NICUの熟練看護師は、新生児に対してストレスの少ないケアを行っている点で、優れたケアを提供している可能性があることを量的に示すことができた。また、日常生活援助の中でのケア実践を明らかにすることができた。 今回はコロナ禍の影響を受け、施設内に立ち入ることができない期間が長くなり、観察者間信頼性の確保ができなかった。さらに、分析のみで終了せざるを得なかったため、今後、この結果をもとに、NICUの新人看護師に対する教育プログラムを開発することが課題である。
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