研究課題/領域番号 |
18K10460
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
関塚 真美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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研究分担者 |
關谷 暁子 金沢大学, 保健学系, 助教 (10452111)
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70163657)
小西 佳世乃 金沢大学, 保健学系, 助教 (80708470)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 周産期 / 女性 / ウェルネス / ストレス / ストレス関連物質 / オキシトシン |
研究実績の概要 |
本研究目的は周産期女性のウェルネスに貢献するケアシステムを構築し,ストレスを生理学的指標で定量化することで,その効果を検証することである。2018年度は妊産婦に対する冷え予防のための身体づくりの指導を行うために,まずは健康女性に対して,足浴とその後の保温を行うことが冷え予防のための効果的な方法となり得るかを客観的に検証した。対象は20代の健康女性24名であった。前額,下腿,足背に関して,深部温度と皮膚表面温度の測定をした。また基本的属性と冷え症自覚の有無を調査した。実験方法は,20分程度の安静座位後に足浴を20分間(水温40℃,水深20cm)実施し,その後安静座位を再び保ち,足浴20分後まで持続的に深部温度をモニタリングした。足浴後保温を行う日と行わない日の2日間にわたり実験を行い保温の効果を比較した。 健康女性の下腿深部温度は,安静時に比べて足浴直後に有意に上昇し,足浴後の保温の有無に関わらず,安静時から足浴20分後の下腿深部温度は有意に上昇した。前額と足背・下腿の深部温度較差の大小で4群に分類し比較した結果,非冷え症者(前額と足背の温度較差が2.5℃未満)のうち前額と下腿の深部温度較差が大きい者は,安静時から足浴直後の下腿深部温度が有意に上昇した(p=.023)。一方,冷え症者(前額と足背の温度較差が2.5℃以上)のうち前額と下腿の深部温度較差が大きい者は,足浴後保温しない場合,安静時と足浴20分後の下腿深部温度に有意差を認めなかったが,足浴後保温した場合,下腿深部温度が有意に上昇した(p=.043)。 すなわち冷え症者には足浴後に保温することが効果的であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の予定はおおむね実施できた。 足浴によるストレス関連物質としてオキシトシンの動態を定量測定することを試みたが,感度以下となるケースがあり,抽出法やアッセイ法を研究者間で協議している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
足浴によるストレス関連物質としてオキシトシン以外のストレス関連物質を検討していく予定である。そのうえで,足浴によるストレス関連物質の動態評価を妊産婦で行う予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
アッセイ法の再検討が必要となったため,当初使用を予定していた必要量分の試薬を購入しなかったためである。アッセイ法を再検討のうえ,次年度に試薬購入のため使用予定である。
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