研究課題/領域番号 |
18K10460
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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研究分担者 |
關谷 暁子 金沢大学, 保健学系, 助教 (10452111)
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70163657)
小西 佳世乃 金沢大学, 保健学系, 助教 (80708470)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 周産期 / 女性 / ウェルネス / ストレス関連物質 / オキシトシン |
研究実績の概要 |
本研究目的は周産期女性のウェルネスに貢献するケアシステムを構築し,ストレスを生理学的指標で定量化することでその効果を検証することである。2019年度の実績は以下2点である。 1点目は昨年度までの研究結果(健康女性に対する冷え評価のための測定部位の妥当性と簡易的な評価方法の検討)に関して学会発表し,論文投稿を行った。なお,足浴効果についての論文投稿は次年度行う予定としている。さらに新しいセルフケア方法の検討(足部運動)にも着手を始めた。昨年より行っている生理学的指標の定量化に関しては,妊産婦を対象とした指標の検討およびアッセイ方法の検討について関連学会に参加し,検討を行った。 2点目は産後1か月頃から家庭で育児を行っていくうえで,母親がどのようなことに困難を感じているか,さらにどのようなニーズがあるかを質的記述的に明らかにした。核家族世帯の母親を対象にインタビュー調査をした結果,母親は,母乳育児に対する苦悩や昼夜逆転の子どものペースに対応できないことなどに困難を感じていた。また,核家族であるがゆえ,日中に1人で育児を行う中で,自分だけで育児を抱え込み気負いを感じていた。母親は自分で対処行動がとれていた者もいたが,誰に支援を求めてよいか知識がなく,適切な支援を受けることができていなかった者もいた。特に,母親が新生児や乳児の睡眠発達の知識をもっているか否かは母親の心理的ストレスにも影響すると推察される。従って,妊娠期あるいは新生児期からの早期知識提供や,周産期における切れ目ない支援を行うことが求められることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度予定していたことは概ね行えたが,昨年より行っている生理学的指標の定量化に関しては,妊産婦を対象とした指標およびアッセイ法の最終決定までは行えていないためである。また,所属施設が有していた健康増進科学センターの発展的解散に伴い,当初予定していたセンターを拠点とした活動が難しくなったためである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度にアッセイ法の最終決定を行い,妊産婦を対象として,生理学的指標の定量化を行う予定である。しかし,新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,検体採取が不可能な状況が予測され,研究遂行が困難になる可能性が高いため,研究計画を修正する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
アッセイ法の決定を今年度予定していたが,最終決定に至らず,当初使用を予定していた必要量の試薬を購入しなかったためである。また,第34回日本助産学会学術集会(開催地:新潟)にて学会発表を予定していたが,新型コロナウイルス感染症の影響により,インターネット学術集会の開催となり,旅費および宿泊費の発生がなかったためである。 次年度使用額と当該年度以降に請求した助成金については,アッセイ法を十分検討し最終決定したうえで,次年度に必要となる試薬や消耗品等の購入費用として使用予定である。
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