研究課題/領域番号 |
18K10460
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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研究分担者 |
關谷 暁子 金沢大学, 保健学系, 助教 (10452111) [辞退]
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70163657)
小西 佳世乃 金沢大学, 保健学系, 助教 (80708470) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 周産期 / 女性 / ウェルネス / ストレス関連物質 / オキシトシン |
研究実績の概要 |
本研究目的は周産期女性のウェルネスに貢献するケアシステムを構築し,ストレスを生理学的指標で定量化することで,ケアシステムの効果を検証することである。令和2年度の実績として,昨年度までの業績を論文投稿した。また以下2点を重点的に遂行した。 1点目は冷えに対する新しいセルフケア方法(運動装置を用いた下腿運動)の効果を検討した。実験期間は7日間で,実験1日目と7日目は運動前から運動後にかけて深部温のモニタリングと質問紙調査を行い,深部温の変化と冷えに関連した身体的自覚症状の変化により下腿運動の効果を冷え群と非冷え群で比較した。冷え群と非冷え群の群分けは実験1日目の安静時の前額と足背の深部温較差を基準に2群に区分した。分析対象者は17名であった。冷え群では,運動後の足背の深部温が非冷え群に比べて有意に上昇した(1日目p<.001;7日目p=.003)。さらに,運動後の前額と足背の深部温較差は冷え群で有意に縮小した(1日目p<.001;7日目p=.002)。運動後の足背深部温の変化は非冷え群に比べ冷え群で有意に上昇し,前額との深部温較差も有意に縮小することが明らかとなったことから,下腿運動は冷えを呈する女性の足背の血流改善に効果的であることが示唆された。また,下腿運動による主観的評価として「足が温まった」と対象者全員が評価しており,冷え改善に有用であることが示唆された。 2点目は血中ストレス関連物質の定量化について,アッセイ法の妥当性を検討した。昨年度に引き続き,COVID-19の感染拡大に伴い妊産婦を対象とした検体採取が不可能であったが,環状型オキシトシンと鎖状型オキシトシンを鑑別し定量化できるかについて質量分析法も含めラジオイムノアッセイ法による検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に引き続き,COVID-19の感染拡大に伴い妊産婦を対象とした検体採取が不可能であったため,当初研究計画の進行が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も妊産婦を対象とした検体採取が不可能な状況が予測され,本課題は次年度に延長することとした。しかし,COVID-19の感染拡大に伴い,当初予定の計画遂行が困難になる可能性が高いため,研究計画を修正せざるを得ない状況になる可能性は否定できない。 次年度において,COVID-19の収束が見られた場合は,妊産婦を対象に当初予定していた計画を遂行する。収束が期待できなければ,対象の変更または計画を一部変更し,ストレスの客観的定量化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は2点ある。1点目はCOVID-19の感染拡大により妊産婦を対象とした検体採取が不可能な状況となり,妊産婦を対象としたストレス関連物質の定量化を実施できなかったためである。2点目はインドネシアで開催予定であったInternational Confederation of Midwives Triennial Congressが令和3年度に延期となり,出張に関わる旅費や宿泊費等を使用しなかったためである。 次年度使用額はCOVID-19の収束が見られた場合は,妊産婦を対象に当初予定していたストレス定量化のために使用する。収束が期待できなければ,対象を変更するまたは計画を一部変更し,ストレス定量化のために使用する。また,延期となったInternational Confederation of Midwives Triennial CongressはVirtual Triennial Congress開催予定となったため,それに関わる費用として使用する。
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