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2022 年度 実施状況報告書

将来の妊孕性に影響する思春期女子の月経困難症の増悪因子と防御因子の探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K10461
研究機関神戸市看護大学

研究代表者

池田 智子  神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50444633)

研究分担者 中塚 幹也  岡山大学, 保健学域, 教授 (40273990)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード月経困難症 / 子宮内膜症 / セルフケア行動 / 過多月経
研究実績の概要

本研究は,思春期の月経困難症の実態に着目し,コホート研究を行い,初経以降における進行する月経困難症の実態を把握すること,進行する月経困難症のリスク因子を探索的に明らかにすることを目的としている。
思春期の月経困難症の実態調査をし,月経痛の特徴を明らかにするため,月経痛が毎月ある高校生に着目し,1年前に比べた月経痛の変化と学校を休む等の生活への支障の有無を踏まえ,1年前に比べて痛みは変わらず,生活への支障がない人をコントロール群とし,1年前に比べ痛みが増強しており,かつ生活への支障があった群,痛みの増強はないが生活への支障があった群,痛みは増強しているものの生活に支障はきたさなかった群で群間比較をした結果,4群で特徴が異なる傾向が示唆された。1年前に比べ月経痛が増強しており,かつ生活に支障があった群は,他の群に比べ痛みの程度が有意に強く,経血多量傾向であり,鎮痛剤使用頻度が有意に高率で月経4日目まで使用する傾向であり,潜在的な子宮内膜症のリスクが疑われた。毎月月経痛を有する高校生のうち,約2割を占めることが明らかとなった。
コロナ感染拡大の影響から,研究計画を一部変更し,子宮内膜症と診断された女性を対象に10~20代の月経随伴症状とセルフケア行動を後方視的に調査し,9名から構造化面接をし,10代は月経痛,過多月経,貧血症状傾向があり,20代後半から30代に月経痛の増強がみられていた。しかし月経痛や過多月経など主要症状はなく,子宮頸がん検診や他の検査の結果,下腹部に異常所見があるため精査の結果,子宮内膜症と診断されているケースも見られた。そのため,今後は研究対象年齢を10代後半~20代とし,進行する月経困難症のリスク因子としてセルフケア行動が関連しているのか検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は思春期の月経困難症に着目し,コホート研究を行い,初経以降における進行する月経困難症の実態を把握すること,進行する月経困難症のリスク因子を探索的に明らかにすることを目的としている。
本研究では,中学生を含む思春期女子とその保護者を対象に,性周期に関する健康教育セミナーを開催し,参加者をコホート研究対象としてリクルートする予定であったが,コロナ感染拡大によって思春期女子を研究対象としたリクルートが困難な状況となったため,研究計画を一部修正し,子宮内膜症と診断された女性を対象に初経から20代までの月経随伴症状,セルフケア行動について後方視的に調査した。今後は研究期間を延長し,研究対象を10代後半~20代女性を対象に進行する月経困難症のリスク因子としてセルフケア行動が関連しているのか検討する。

今後の研究の推進方策

本研究の意義は諸外国で報告されている若年者で強い月経困難症を有する人はすでに子宮内膜症病巣が存在するか,将来的に発症するリスクが高いことが本邦でも懸念され,本邦の思春期女子の月経困難症の実態把握と,進行する月経困難症のリスク因子を探索的に明らかにすることである。
今後の研究の推進方策としては,研究対象を10代後半~20代女性を対象に進行する月経困難症のリスク因子としてセルフケア行動が関連しているのか検討する。

次年度使用額が生じた理由

予定であった思春期女子を対象としたコホート研究の開始がコロナ感染拡大によって,開始が見送りの状態が続いている。そのため研究の推進方策を変更して進めているため,コホート運営予算を次年度に持ち越した。今後は,研究対象を10代後半~20代女性を対象に進行する月経困難症のリスク因子としてセルフケア行動が関連しているのか検討するため,予算執行していく予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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