研究課題/領域番号 |
18K10471
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
長谷 美智子 武蔵野大学, 看護学部, 講師 (10803124)
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研究分担者 |
小泉 麗 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (50385564)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 在宅生活 / 重症心身障害児 / 養育者 / 訪問看護ステーション / 訪問看護師 / レスパイトケア / 体調管理 / 健康管理 |
研究実績の概要 |
2020年度は第1段階の研究の最終年度として以下の研究をまとめ学会で報告を行った。 【在宅生活をする重症心身障害児の訪問看護師のケア:質的記述的研究】 看護師10名を対象とした。訪問看護師のケアの実践として5カテゴリー、14サブカテゴリーを抽出した。訪問看護師は親の抱えている問題や心配など幅広く情報を捉えるなかで【親の体調を感じ取る】ことをしていた。【親に寄り添う】姿勢を基本とし、【親が子どもと離れられない状況を認識する】と共に必要な【サポート体制を整える】だけではなく、【親が自分の体調を整えられるよう働きかける】ことも実践していた。訪問看護師は親の体調に対する直接的な看護実践に加え、親が子どもと離れられない状況を理解して気持ちに寄り添い、親自身が体調を整えられる方法も模索しながら関わっていた。 【在宅重症心身障害児の親の揺らぐ体調の様相に関する研究:質的記述的研究】 親11名を対象にした。親の揺らぐ体調の様相:親の体調の状況、影響要因として4カテゴリー、16サブカテゴリーを抽出した。重症児の親は【大切な我が子の不安定な体調の管理を中心にした生活】をスケジュールし、リズム化していた。また、【サポートを受けながら生活を調整し親の体調管理にも取り組】んでいた。しかし、【生活リズムの崩れや社会における居場所・役割の有無が親の体調に影響】を及ぼし、【体調不良】を招いていた。親自身が社会的役割を欲している場合でも得られていないことが多かった。今後も長く続く在宅生活で、子どもの体調不良時も親の生活リズムを維持できるような支援や、親自身が自己実現できる支援が必要であることが言えた。 【在宅重症心身障害児の親の体調と関連する要因と訪問看護師のケアに関する研究:混合研究法】第2段階の研究に向けて第1段階での研究結果を反映させた質問紙を開発した。次年度は質問紙調査(反復測定デザイン)を実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染症の流行があり、質問紙調査を実施できる状況ではなかった。 そのため、第1段階の研究の分析を丁寧に見直しながら質問紙調査の項目の洗練に努める期間とし、第2段階の調査が実施できるよう準備を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
第2段階の調査を以下の通り進める。 ①研究協力施設への打診、②質問紙調査の配布(300部程度配布を目標)、③回収・分析 ④結果の報告
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症の流行により、質問紙調査を実施できなかった。 1年遅らせて次年度実施する。 質問紙調査の依頼などの旅費、質問紙調査依頼文の印刷費・WEBフォームの開発・調査員アルバイト代・分析・謝金、報告書作成・施設への報告等に残金を使用する予定である。
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